神戸市条例制定の謎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 08:39 UTC 版)
「ザ・スターリン」の記事における「神戸市条例制定の謎」の解説
1982年8月2日での神戸市民小劇場ライブにおいて、観客が施設を破壊。この出来事を機に神戸では「スターリンに公共施設は貸さない」という市条例が制定されてしまう。また、全国ホール協会のブラックリストに載ってしまい、あらゆるライブ、コンサート会場でライブが出来なくなる。 ほぼ全ての略歴では上記の事項が記述されているが、過去を遡っても「神戸市民小劇場」と言うスペースは神戸市公営施設に存在しない。また、神戸市の各種条例を検索しても、現在では、スターリンに関する条項は見当たらない。なお、神戸市の各種公営ホールについての条例について、一例を挙げると1973年制定の「神戸文化ホール条例」には、制定時から以下の項目が存在している。 (施設)第2条の2 神戸文化ホールの本館に大ホール、中ホール、リハーサル室、多目的室、特別控室及びロビーその他の便益施設を、練習場に練習室1, 練習室2, 練習室3, 練習室4, 練習室5及びロビーその他の便益施設を置く。(使用の許可)第3条 前条の施設(ロビーその他の便益施設を除く。以下単に「施設」という。)を使用しようとする者は、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。(許可基準)第4条 市長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、前条の許可をしてはならない。(1) 公の秩序又は善良な風俗を乱すおそれがあるとき。(2) 建物その他附属設備を汚損し、損傷し、又は滅失するおそれがあるとき。(3) 管理上支障があるとき。(4) 公益に反するとき。 神戸市の他の公営施設の条例も、ほとんどがこれに準じており、施設設立当初から「善良な風俗を乱す」「設備を汚損・損傷させるおそれのある者」」には使用を禁止するようになっている。仮に、スターリンが問題を起こしたとしても、その対策は上記程度の内容で充分であり、スターリンを出入り禁止にするために、わざわざバンド名を名指しにする必要はまったく無い。そして、「あらゆるライブ、コンサート会場でライブが出来なく」なってしまった、当該ライヴ後もスターリンは大学祭・ライヴハウス等で演奏を行っている。なおかつ、スターリンの数年後、さらに凶悪なライヴを各所で敢行し、その度に各所でトラブルを起こしたハナタラシのライヴ履歴から傍証しても「全国ホール協会のブラックリスト」なるものが存在しないのは、ほぼ確実である(中野サンプラザ内にあった「全国ホール協会」は「全国ホール名鑑」という出版物を発行していたが、これはホールの施設概要についてのデータベースである)。 このため、この事項は、兵庫県・神戸市・神戸市民文化財団が主催する各種施設(「市民小劇場」に類似した施設名が複数存在する)でトラブルを起こしたスターリンの噂に尾ひれが付いた、一種の都市伝説であると想像できる。また、過去のインタビュ−等では、遠藤ミチロウ自身も、このエピソードに触れており、あえて楽しんでこの「都市伝説」の流布に加担した可能性も否定できない。
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