示談による解決
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 22:49 UTC 版)
「マイケル・ジャクソンの1993年の性的虐待疑惑」の記事における「示談による解決」の解説
疑惑の発生後、マイケル側の弁護士団内では内部分裂による意見の相違が本格化した。米国では民事訴訟では裁判に持ち込む前に示談として解決するのが一般的であること、これ以上マイケルのプライバシーを公に晒すことは耐えられないこと、マイケルが鎮痛剤依存の治療に専念しなければならないことなどを考慮し、1994年1月25日に少年に対し、以後40年間にわたり計1530万ドルを支払うことにより和解した。マイケルは「僕は不適切なことは何もしていない。名前と名誉を守るためだけにこのお金を支払う」と書かれた示談書を提出した。また告発した少年の将来への配慮から、少年の氏名や示談内容は一切他言しないという機密保持契約も作成されたため、マイケルは同意し本件について語ることはなかった。 マイケルは、当時の自宅ネバーランドでインタビューを収録し身の潔白を訴えた。1996年に当時の妻リサ・マリーと出演したABC局のダイアン・ソイヤーのトーク番組でも「僕の潔白を証明してほしいと弁護士に頼んだんだ。でも弁護士に『公正な裁判は受けられない。陪審員は当てにならない。7年はかかるし無実になる保障はない』と言われ僕は震え上がった。僕は言われているようなことはしていない。この恐ろしい問題を早く終わらせたかったんだ。O・J・シンプソンのような馬鹿みたいな事をTVでしたくなかったんだ」と語っている。このトーク番組で当時の妻リサ・マリーと共に訴訟に関して話をしたことで、さらに少年の父親エヴァンから機密保持契約違反であるとして6000万ドルの民事訴訟も起こされた。この訴訟は当時の妻リサ・マリーに対しても起こされた。 ロスマン弁護士と画策して「卑劣な手を使ってマイケルを陥れ大金を手に入れる」と、エヴァン自身が少年の継父であるデイヴィッド・シュワルツに電話している内容が、デイヴィッドによって極秘録音されており世界中に流されている。録音された会話の中でエヴァンは、「(マイケルに)言うべきことについてリハーサルした。」と語り、少年の継父が「君をそんなに怒らせるような、一体どんなことをマイケル・ジャクソンがしたって言うんだ?」と問いかけると「彼は、俺の家族をばらばらにしたんだ。俺の息子はやつの力と金に魅せられてしまっている。俺はマイケル・ジャクソンに対して行動することに決めたんだ。もうすでにすべて計画されている。他の人間も関わっている。皆準備万端で自分の位置について俺からの電話を待っている状態だ。俺がやつらに金を支払ったんだ。俺だけの計画ではなく、やつらとの共同でのある計画に従ってすべての事が運ばれるだろう。俺が弁護士に電話しさえすれば、視野にいるすべての人間を、やつが出来うる限りの悪魔のように醜く汚い冷酷な方法で破滅させるだろうよ。俺はやつにそうする権利を完全に与えたんだ。これをやりおおせたら大儲けさ。俺が失敗することはあり得ない。隅から隅までこの計画をチェックしたんだ。俺は欲しい物すべてを手にする。反対にやつらは永遠にすべてを破壊されるだろう。元妻は息子の親権を失い、マイケルのキャリアは終わりだ。」と語っている。 このような明白な証拠があるものの、検察側は彼らの恐喝容疑についてはしかるべき捜査を全く行わず、少年の言葉だけを証拠としてマイケルの起訴に向けて躍起となった。 だが真実がどうあれ、結果的に示談によって金銭的決着を付けたことで世間に「金で無罪を買った」という印象を与え、真相は結局明らかにならず、後にも疑惑の目が消えなかった。当時薬物依存と戦うマイケルを援助したエルトン・ジョンはこれに対し「マイケルは最後まで戦うべきだった」と述べている。
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