石器、石の道具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 16:26 UTC 版)
石は手に入りやすい硬い材料であり人類最初の材料といわれている。そのため狩猟、農耕、調理といったあらゆる用途に利用されてきた。 石器と石器時代 石器とは、石を(素材に)用いて製作、使用する道具である。 人類と石器とのかかわりのはじまりは250万年以上昔にさかのぼると推定されている。「打ち割り面を複雑に組み合わせた加工」を基準にして考古学では、人類が石器として使い始めた明らかな証拠、としているので、(もっと現実的に考えると、石を打ち割らないで、そのまま道具として使用するような)単純な石の利用は、250万年よりさらにさかのぼると考えられる。 (人類の歴史は数百万年とされているが)人類の歴史の大部分は石器時代であり、およそ200万年にわたっている。「石器時代」という用語は、人類の歴史をその利器の材質で区分する用語であり、石器時代・青銅器時代・鉄器時代と3つに区分する歴史の区分法のひとつである。 年代や地域も明記せずにやや乱暴に説明すると「石は加工性・成形性・精密性に劣り、大型の容器を成形できなかったため、"時代が下るとともに" 石器から粘土製の土器へ移行した」ということになってしまうが、年代や地域の違いを明記してしっかりと説明すると次のようになる。 石器時代がいつまで続いたかは、地域によって異なっていた。旧大陸(つまりヨーロッパ・アジア大陸など)では石器時代が終わりを告げたのは紀元前3000年ころであったが、それはあくまで旧大陸の話であって、西暦1492年に、コロンブスがアメリカ大陸に到着した段階でも、当地の原住民は、まだ石器を主に使い金属器を使わない石器時代の状態であったのである。当時、中米でも一部の場所を除きほとんどの場所で、南米でもアンデス地帯など一部の場所を除いてほとんどの場所で、石器時代にとどまっていた。つまり世界全体を概観すれば、一部の地域を除き、多くの地域で、今からわずか五百年ほど前まで人類の石器時代は続いていたのである。 旧石器時代の石器 新石器時代の石器(韓国の博物館展示) 今から3300~2400年ほど前の石器の矢じり(フランス、トゥールーズ) 古代エジプトの石の道具(紀元前1900年-紀元前1640年ころ、中王国時代) インドネシアの家庭で使われている食材をつぶすための石の道具 タイの一般家庭ならたいてい使っている、きわめてありふれた、石の調理道具 現代の道具屋で普通に実用的な道具として販売されている石臼
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