相振り飛車の囲い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 05:19 UTC 版)
囲いは金無双・美濃囲い・矢倉囲い・穴熊囲い等を用いることが多い。 金無双 以前は相振り飛車の代表的囲いとされてきた囲い。 銀将の位置が「壁銀(先手の場合2八、後手の場合8二と玉の逃げ道を塞ぐ形)」と呼ばれる悪形なので、昨今(2007年現在)は採用例が少なくなっている。 但し、美濃囲いや矢倉囲いは囲いの完成までの手数が掛かるという問題を抱えている上、美濃囲いは縦(1〜3筋)からの攻めに弱い、銀上がりが1〜3筋対策として行われる等の事情もあり、相手が三間飛車や向かい飛車で攻めて来る場合には、今でも金無双を採用する例が少なくない。 美濃囲い 通常の振り飛車の主流とされる囲い。 四間飛車やヨコからの攻めに強いものの、端や玉頭が弱いため、相振り飛車ではあまり指されていなかった。この点はよく金無双と比較される。 しかし、後手三間飛車から先手矢倉に対する有力な仕掛けとして菅井竜也の再発見した菅井新手が流行すると、菅井新手対策としてあえて美濃囲いに組んで速攻を見せる対局が増えた。 また、高美濃囲いや銀冠もしばしば用いられる。 矢倉囲い(右矢倉) 居飛車の場合とは左右逆の右側に囲うため、右矢倉と呼ばれることもある。 上部に手厚いため、相振り飛車では評価の高い囲いである。ただし、相振り飛車で4筋を突く形はかえって目標となることも多いため、注意が必要とされる。 大隅囲い(大住囲い) 玉の入城を含めて3手で完成する最速の囲いの一つ。 対抗形でも使用されるが、中央からの攻めに強いため、相振り飛車でも相手が中飛車や四間飛車で攻めて来る場合に使用されることがある。 たとえば、近藤正和は、相中飛車となった新人王戦本戦で11手目に▲4八金と上がり大隅囲いを完成させており、この手を「自慢の1手」と評価している。 穴熊囲い 手数が掛かる欠点があるものの、その硬さから昨今は採用例が増えてきた囲い。 主に後手側が三間飛車と組み合わせて使う例が多い。
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