相対的多血症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 09:03 UTC 版)
相対的多血症は赤血球の総量が増加しているものではないが、通常は血液の成分の半分以上を占める液体成分の血漿が減少するために、血液単位体積あたりの赤血球量が相対的に増加する状態である。 血漿が減少する原因としては脱水(水分の不摂取、嘔吐、下痢、大量発汗、利尿剤の使用や尿崩症・糖尿病などによる多尿)などで体の水分を喪失したために血漿の絶対量が減少するものや、各種疾患で血漿と体細胞・組織の間の水分の移動がうまく行かなくなったものがある。疾患ではないが、喫煙などでも循環血漿量の減少をもたらすことがある。脱水や下痢などの体液喪失が原因であれば、その原因を解消し水分を補給すれば基本的には多血状態を脱することができる。 脱水などの体全体での水分の減少とは別の原因による相対的多血症は全般的にはストレス多血症としてくくるが、ストレス多血症は神経質・高ストレス状態・喫煙者・生活習慣病などであることが多く、赤ら顔や肥満は良くみられる。高血圧や高脂血症・高尿酸血症など生活習慣病等慢性疾患では代謝の異常がおこり、機序は明らかではないが循環血漿量が減少することがある。ストレス多血症では頭痛、倦怠感、感覚異常、めまい、呼吸困難(感)、腹部痛などを感じることがあり、狭心症や血栓症などの生命に関わる症状も起こりえる。ストレス多血症ではエリスロポエチン、NAP(好中球アルカリフォスファターゼ)、白血球、血小板、B12など、ストレス多血症以外の多血症では変化することが多い赤血球量以外の検査値が正常であることが多い。
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