白樺湖観光の衰退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 14:48 UTC 版)
白樺湖の年間入り込み客数は1980年代にかけて年々増加し、同年代末にピークを迎えたが、1991年の152万8100人を最後に前年割れが続き、約20年後の2012年に半減の74万8700人まで落ち込んだ。この間、2007年に柏原区出身者が経営する湖畔大手の宿泊施設の一つ「白樺湖ホテル山善」が破産して閉業するなど、複数の宿泊施設が相次いで廃業し、それらの施設が廃墟化して放置される事態となった。 10年ほどの間に加盟事業者数が68施設から40施設に激減した白樺湖観光協会は2009年、運営に行き詰まり、茅野市を通じて借り受けた温泉施設「すずらんの湯」(1996年開業)建設費のうち約3億8000万円を市に返済できないまま解散した。 白樺湖周辺は観光発展ともに観光業に従事する移住者が急増して1978年に新たに「白樺湖区」が発足した。区の世帯数・区民数は1995年に247戸・491人と柏原区を超えたが、観光の衰退とともに減少に転じ、2010年に125戸・225人にまで減少した。。別荘地も柏原財産区、柏原農協あわせて586区画を造成しているが、貸し付けは2006年現在で483区画、うち建築済みは388区画にとどまり、2010年現在で上水道給水を受けている戸数は117戸にすぎない。財産区の土地貸し付け収入も、ピークの1993年には年間7911万7000円を得ていたが、「山善」などの破綻廃業が続いた2000年代後半に入っての落ち込みが大きく、2010年は3203万9000円にとどまった。 2011年に宿泊施設5施設が、白樺湖のイメージアップに取り組むことを目指して白樺湖温泉旅館組合を発足させた。2019年に長く放置されている白樺湖ホテル山善の建物群のうち、湖畔の本館が本館用地の地権者である柏原農協による代執行で解体された。跡地は隣接する池の平土地改良区直営の白樺湖観光センターや駐車場(ともに柏原農協所有地)と合わせ、茅野市が公園や駐車場などを整備を予定している。
※この「白樺湖観光の衰退」の解説は、「白樺湖」の解説の一部です。
「白樺湖観光の衰退」を含む「白樺湖」の記事については、「白樺湖」の概要を参照ください。
- 白樺湖観光の衰退のページへのリンク