男木島図書館とは? わかりやすく解説

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特定非営利活動法人男木島図書館

行政入力情報

団体名 特定非営利活動法人男木島図書館
所轄 香川県
主たる事務所所在地 高松市男木町148番地
従たる事務所所在地
代表者氏名 福井 順子
法人設立認証年月日 2015/02/02 
定款記載され目的
この法人は、島の文化の存続のために、さまざまな資源使い機会や場を作り若い世代との橋渡しをするために民間図書館設立運営とし、持続可能な地域社会構築寄与することを目的とする。 
活動分野
保健・医療福祉     社会教育     まちづくり    
観光     農山漁村中山間地域     学術・文化芸術スポーツ    
環境保全     災害救援     地域安全    
人権・平和     国際協力     男女共同参画社会    
子どもの健全育成     情報化社会     科学技術振興    
経済活動活性化     職業能力雇用機会     消費者保護    
連絡助言援助     条例指定    
認定
認定・仮認定
認定   認定   旧制度国税庁)による認定   認定更新中  
PST基準
相対値基準     絶対値基準     条例指定()    
認定開始日:       認定満了日:       認定取消日:   
認定年月日:    認定満了日:    認定取消日:   
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解散理由  

男木島図書館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/30 05:49 UTC 版)

男木島図書館
Ogijima Library
施設情報
専門分野 総合
事業主体 特定非営利活動法人 男木島図書館[1]
開館 2016年2月14日
所在地 香川県高松市男木町148-3(男木島[1]
位置 北緯34度25分17秒 東経134度3分19.2秒 / 北緯34.42139度 東経134.055333度 / 34.42139; 134.055333座標: 北緯34度25分17秒 東経134度3分19.2秒 / 北緯34.42139度 東経134.055333度 / 34.42139; 134.055333
統計情報
蔵書数 約3,500冊[2][3](2016年開館時点)
公式サイト ogijima-library.or.jp
地図
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
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男木島図書館(おぎじまとしょかん)は、香川県高松市男木町(男木島)にある図書館(私設図書館)。事業主体は特定非営利活動法人男木島図書館[1]。2016年2月14日に開館した[4][5][6]

前史

図書館と地域の事情

沖合から見た男木島の集落

男木島瀬戸内海に浮かぶ人口約180人の離島であり、香川県高松市の高松港からフェリーで約40分の距離にある。かつて男木島には図書館がなく、男木コミュニティセンターに蔵書約700冊の高松市図書館男木島分室(図書室)があるのみだった[7]。本を読むためには定期便で本土の高松市街地まで行く必要があったため[8]、読書の習慣がない住民が多く[9]、「本を読んでいたのは遠い昔のこと」と語る住民もいた[10]。また、2010年代に移住してきた若者と旧来の住民を結びつけるための、地域住民が老若男女を問わず交流できる施設の設置も課題だった[9]。2014年9月10日には高松市図書館が初めて出張サービスを実施し、住民のリクエストに応じた書籍の貸し出しを行ったり、児童に紙芝居や絵本の読み聞かせを行った[7][11]。高松市図書館が42冊の書籍を男木島分室に持ち込み、3か月間は男木島住民が自由に利用できる[7]

男木島は年々人口が減少し、平均年齢が約70歳という[12]高齢化・少子化・過疎化が進んでいた。子どもの数が減ったことで、男木小学校は2008年に、男木中学校は2011年に休校となった[13]。ところが瀬戸内国際芸術祭などの影響で、2010年代にはUターン・Iターンの移住者も現れた[10]。2014年から2015年にかけての1年間には26人が他地域から男木島に移住しており、移住者の大半が20代から30代、2015年現在では島民の10%以上が移住者であるという[10][14]。2015年にはある移住者が漁師として独り立ちしたため、約20年ぶりに餅まきの行事が行われた[10]。島内の学校である高松市立男木小学校および高松市立男木中学校は、2014年4月には移住者の子ども6人を迎えて仮設校舎にて再開している[10]

福井順子の移住

画像外部リンク
NPO法人代表の福井順子
瀬戸内国際芸術祭を契機に活気づいた男木島

福島県郡山市出身の福井順子(旧姓額賀)は大阪芸術大学を卒業後、ウェブデザイナーとして20年間ほど大阪で生活していた[10]。大学で出会った男木島出身の夫はIT関連企業を経営しており[15]、2013年に夫が瀬戸内国際芸術祭のために男木島を紹介するウェブサイトを制作した関係で、家族で2週間ほど男木島に滞在[15]。離島でも順子のデザイナーとしての仕事に支障がなかったことや、娘が男木島に好印象を持ったことなどがきっかけで[15]、2014年3月には順子・夫・娘の家族3人で男木島に移住した[16][10]

移住にあったては、夫が男木小・中学校の再開運動を主導して、男木島人口の5倍近い900筆近い署名を集めた[15]。高松市教育委員会に再開を要請すると、2014年春には同時期に移住してきた3家族6児童生徒での再開が実現した[15]。小・中学校再開や図書館開館に旧来の住民の支援を得ることができたのは、若い移住者が消防団や地域活動などに率先して取り組んだことが大きい[15]

男木島図書館の運営団体として、「特定非営利活動法人 男木島図書館」を設立、登記いたしました。島に移住してきた時から図書館をやりたいと思っていたのですが、その時はまだ法人という形にすることは考えていませんでした。島に住むうちに、図書館というものを運営していくには一人の力ではできることは限られていて、公と民とどちらの力も必要と強く感じてきました。「図書館」という場所は「ただ本がある場所」ではないと思っています。人と本を繋ぐ場所、人と人を繋ぐ場所。島に流れる文化を保存する場所。心を継承する場所。男木島に作る図書館がどんなものになるかはこれからです。幸いにも志に賛同してくれる仲間を得ることができ、一歩を踏み出すことができました。 — 特定非営利活動法人 男木島図書館(2015年2月25日)[16]

歴史

NPO法人の設立と開館準備

男木島路地壁画プロジェクト

男木小・中学校再開校に尽力した夫が順子を刺激した[17][18]。順子は2014年11月に特定非営利活動法人(NPO法人)男木島図書館の設立を申請[18][17][19]。12月には築100年の古民家を改装して図書館を開設することを決定した[9][17][19]。この建物は木造2階建、延床面積約100m2[2]。2015年1月から古民家の改装作業を進め[10]、2月からは建築家との協議を行って改装工事を本格化させた[17]。NPO法人と島民が共同で古民家の清掃などの作業を行い[9]、床をコンクリートで補強し、柿渋で染めた和紙を屋根裏に貼った[8]。香川県内の大学生、男木島への観光客など、2015年11月時点でのべ300人以上が改装工事を手伝い[8]、中には東京から駆け付けた参加者もいたという[18]小豆島直島など近隣の島からもボランティアが訪れ、遠方からの支援もあった[20]

男木島図書館の入口

代表の順子の蔵書2,000冊に加えて、島内外から書籍の寄贈を募り、最終的には約10,000冊を収蔵することを目指している[9][14]。住民のニーズを調査するために、2015年2月からは週1回の移動図書館を開催[8][18]。オンバと呼ばれる手押し車に約80冊の書籍を積んで、順子自らが交流所や神社などをまわった[9][18][16][19]。500冊の蔵書の購入費用と本棚の設置費用に当てるために、150万円を目標とするクラウドファウンディングを行った[10]。告知期間は60日間を予定していたが、開始からわずか24日間で目標金額に到達[10]。このため目標額を240万円に再設定し、さらに500冊(計1,000冊)の書籍の購入と視覚障害者用の音声読書再生機の購入を目指した[14][18]。購入する蔵書は島民に対するアンケートで決めるという[21]。2015年8月20日にはKSB瀬戸内海放送のスーパーJチャンネルにて、『生まれる“つながり”…男木島図書館』という特集が放送された。

念願の開館

開館予定日は当初の2015年6月[9]から、2015年の夏前[18][19]、2015年8月[10]、2015年秋[15]、2015年内[8]と延びたが、2016年2月14日に開館した[4][5][6]。開館記念として現代美術家・写真家の松蔭浩之による写真展が行われる。図書館には男木島出身の作家、西村望西村寿行など、香川県出身作家の郷土コーナーなどが設けられている[2]。当面は金曜から月曜までの週4日開館、開館時間は13時から17時である[3]

世代が違っても本が共通の話題を提供してくれる。人と話したい時も、そうでない時も、誰かと一緒にいることが出来る。そういう場所を作りたい。 — NPO法人男木島図書館代表 福井順子[19]

脚注

  1. ^ a b c 男木島図書館 NPO法人男木島図書館
  2. ^ a b c 古民家改修し島で初の図書館に…高松沖・男木島 読売新聞, 2016年2月13日
  3. ^ a b 男木島図書館オープン 古民家を再生 新たな交流の場に 毎日新聞, 2016年2月16日
  4. ^ a b 瀬戸内海に浮かぶ男木島(香川県)に古民家を改装して開館予定の「男木島図書館」、開館予定日(2月14日)を発表 カレントアウェアネス、2016年1月15日
  5. ^ a b 開館予定のお知らせと年始に寄せて「本と島と未来へ」 男木島図書館、2016年1月12日
  6. ^ a b 男木島図書館が開館 - 瀬戸内海放送ニュース(Youtube)
  7. ^ a b c 「男木島、待ってた図書館 『出張』、再開の小学校でも初実施」朝日新聞、2015年9月17日
  8. ^ a b c d e 「島の図書館は島民の夢 男木島、古民家再生に島外からも助っ人」朝日新聞、2015年11月3日
  9. ^ a b c d e f g 築100年の古民家を図書館に。収蔵10,000冊を目指す「男木島図書館」 離島経済新聞、2015年4月7日
  10. ^ a b c d e f g h i j k 瀬戸内海の離島に図書館を! 大人から子どもまでみんなが学べる場所をつくるため、男木島でクラウドファンディングを実施中 ハフィントン・ポスト
  11. ^ 「本とあなたの懸け橋に 各地の図書館 アイデア競う」毎日新聞 2014年10月3日
  12. ^ 「ふるさとあしたへ・香川の離島(下)子供の声 校舎に戻る」毎日新聞、2015年8月29日
  13. ^ 『島へ。』海風舎 vol.83 2015年10月号
  14. ^ a b c 瀬戸内海の小さな島”男木島”の図書館を本でいっぱいにしたい! Ready For
  15. ^ a b c d e f g 「福井順子さん 香川・男木島で手作り 島の内外結ぶ図書館を」朝日新聞、2015年9月26日
  16. ^ a b c NPO法人 男木島図書館 福井順子さん: 本のある風景が、島の中にあるしあわせ ふらっと高松
  17. ^ a b c d 「移動図書館:島に『オンバ』 福島県出身の順子さん『人々が気軽に交流できる場を』」読売新聞、2015年2月11日
  18. ^ a b c d e f g 「図書館:準備佳境に ネットで寄付呼びかけ 改装作業進む 男木島」読売新聞、2015年7月25日
  19. ^ a b c d e 男木島に 移住者の順子さん「つながりの場に」 毎日新聞、2015年2月5日
  20. ^ 男木島図書館ドキュメント: chapter2 「本の貸し借りが島にもたらすもの」カリグラシTV
  21. ^ 「男木島移住、順子さん移動図書館 本はオンバに乗って」毎日新聞、2015年2月5日

関連項目

外部リンク



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