図書館と地域の事情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 14:43 UTC 版)
男木島は瀬戸内海に浮かぶ人口約180人の離島であり、香川県高松市の高松港からフェリーで約40分の距離にある。かつて男木島には図書館がなく、男木コミュニティセンターに蔵書約700冊の高松市図書館男木島分室(図書室)があるのみだった。本を読むためには定期便で本土の高松市街地まで行く必要があったため、読書の習慣がない住民が多く、「本を読んでいたのは遠い昔のこと」と語る住民もいた。また、2010年代に移住してきた若者と旧来の住民を結びつけるための、地域住民が老若男女を問わず交流できる施設の設置も課題だった。2014年9月10日には高松市図書館が初めて出張サービスを実施し、住民のリクエストに応じた書籍の貸し出しを行ったり、児童に紙芝居や絵本の読み聞かせを行った。高松市図書館が42冊の書籍を男木島分室に持ち込み、3か月間は男木島住民が自由に利用できる。 男木島は年々人口が減少し、平均年齢が約70歳という高齢化・少子化・過疎化が進んでいた。子どもの数が減ったことで、男木小学校は2008年に、男木中学校は2011年に休校となった。ところが瀬戸内国際芸術祭などの影響で、2010年代にはUターン・Iターンの移住者も現れた。2014年から2015年にかけての1年間には26人が他地域から男木島に移住しており、移住者の大半が20代から30代、2015年現在では島民の10%以上が移住者であるという。2015年にはある移住者が漁師として独り立ちしたため、約20年ぶりに餅まきの行事が行われた。島内の学校である高松市立男木小学校および高松市立男木中学校は、2014年4月には移住者の子ども6人を迎えて仮設校舎にて再開している。
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