璧とは? わかりやすく解説

へき【璧】

読み方:へき

常用漢字] [音]ヘキ(漢) [訓]たま

ドーナツ形の玉。「完璧白璧

すぐれたもの。「双璧


へき【璧】

読み方:へき

古代中国玉器の一。扁平(へんぺい)・環状中央に円孔がある。身分標識祭器、のちには装飾品として用いられた。たま。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/09 02:19 UTC 版)

前漢時代の楚王墓から出土した璧

(へき)は、古代中国で祭祀用あるいは威信財として使われた玉器。

多くは軟玉から作られた[1][2]。形状は円盤状で、中心に円孔を持つ。表面に彫刻が施される場合もある。

概要

璧の起源は良渚文化まで遡り[3]、当時はと共に神権の象徴として扱われていた[4]

良渚文化が衰えたのちも、璧は主に中原龍山文化へ伝播し、中原では二里頭文化の時期にいったん姿を消すが、代に再び現れる[5]

代に至り、璧は礼法で天を祀る玉器として規定された[1][6]。また『周禮』は、諸侯が朝ずる際に天子へ献上するものとして璧を記している[7]

璧は日月を象徴する祭器として、祭礼用の玉器のうち最も重要なものとされ[1]春秋戦国時代代においても装飾性を加えて盛んに用いられた[3]。「双璧」「完璧」「白璧」など優れたものを意味する熟語としても使われている。

北京オリンピックメダルの裏面には、翡翠を使った璧があしらわれた[8]

脚注

  1. ^ a b c 飯島 (2003) p.43
  2. ^ 松丸ら (2003) p.210
  3. ^ a b 松丸ら (2003) p.54
  4. ^ 趙ら (2006) p.169
  5. ^ 松丸ら (2003) p.54-56
  6. ^ 尹 (2007) p.222
  7. ^ 飯島 (2003) p.136
  8. ^ Design of the Medal for the Beijing 2008 Olympic Games” (英語). The Official Website of the Beijing 2008 Olympic Games. 2010-12-26T12:17Z閲覧。

参考文献

  • 松丸道雄(編)、池田温(編)、斯波義信(編)、神田信夫(編)、濱下武志(編) 編『中国史 1 -先史〜後漢-』山川出版社〈世界歴史大系〉、2003年。ISBN 978-4634461505 
  • 飯島武次『中国考古学概論』同成社、2003年。 ISBN 978-4886212665 
  • 趙春青、秦文生 著、稲畑耕一郎(監) 編『先史―文明への胎動』後藤健(訳)、創元社〈図説 中国文明史 1〉、2006年。 ISBN 978-4422202525 
  • 尹盛平 著、稲畑耕一郎(監) 編『殷周―文明の原点』荻野友範(訳)、崎川隆(訳)、創元社〈図説 中国文明史 2〉、2007年。 ISBN 978-4422202532 

関連項目


出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 04:43 UTC 版)

発音(?)

熟語


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「璧」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「璧」の関連用語

璧のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



璧のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの璧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS