球脊髄性筋萎縮症
遺伝子はクローニングされていて、アンドロジェン受容体の遺伝子にCAGの3塩基繰り返しの増大がみられます。筋強直性ジストロフィーもCTG の3塩基繰り返しの増大が病気と関係していることを述べました。ハンチントン病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮(dentato-rubro-pallido-luysian atrophy: DRPLA)、脊髄小脳変性症などいくつかの病気で3塩基繰り返しの増大が病気と関係あることがしられています。それらは3塩基繰り返し病(triplet-repeat disease)と総称されていて、球脊髄性筋萎縮症を除いては常染色体優性遺伝をとります。
球脊髄性筋萎縮症は成人になって発症します。近位筋優位の筋力低下と萎縮、筋束性攣縮、振戦がみられます。物が飲み込みにくいなどの球麻痺症状があります。特異的なのは女性化乳房があることです(図42)。症状の進行は緩徐です。
球脊髄性筋萎縮症では性ホルモンの異常があり、男性でも乳房が顕著となる(女性化乳房)のが診断的異常である。 | |
図42:女性化乳房 |
球脊髄性筋萎縮症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/27 14:10 UTC 版)
球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy、SBMA)は成人発症の下位運動ニューロン疾患である。X連鎖劣性遺伝の遺伝形式をとる遺伝子疾患であり、アンドロゲン受容体の第1エクソンのCAG繰り返し配列の異常に起因するポリグルタミン病の一つである。男性のみに発症し四肢の筋力低下、筋萎縮と球麻痺をきたし、緩徐に進行するのが特徴である。開鼻声、舌萎縮、顔面・舌の線維束性攣縮、女性化乳房、軽度の肝機能障害、血清クレアチンキナーゼ高値、血清クレアチニン低値を病初期から呈することが多い。
- 1 球脊髄性筋萎縮症とは
- 2 球脊髄性筋萎縮症の概要
- 3 疫学
球脊髄性筋萎縮症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 06:47 UTC 版)
「筋萎縮性側索硬化症」の記事における「球脊髄性筋萎縮症」の解説
球脊髄性筋萎縮症では舌萎縮が目立つ割に舌運動機能が保たれ構音障害が目立たない点が特徴である。神経伝導検査では球脊髄性筋萎縮症はCMAPの軽度低下に比較して腓腹神経でのSNAPの低下や誘発不能など感覚神経の障害が高率に認められるのに対して筋萎縮性側索硬化症では通常は感覚神経の生涯はみられないか、みられても軽度である。球脊髄性筋萎縮症の下肢筋のMRIでは大腿筋では半膜様筋、大腿二頭筋長頭、および外側広筋などに萎縮が認められるが、大腿直筋、縫工筋および薄筋は比較的保たれ、腓腹部では内・外側腓腹筋とヒラメ筋が選択的に萎縮する。他方、筋萎縮性側索硬化症での筋萎縮の分布はびまん性であり両者の鑑別になる。
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