犯行の理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 05:40 UTC 版)
「フェデックス705便ハイジャック未遂事件」の記事における「犯行の理由」の解説
犯人の男(42歳)は元アメリカ海軍のパイロットで空挺部隊員で武術のエキスパートであった。フェデックス・エクスプレスに入社後、航空機関士として貨物機を操縦していたが、同社は飛行時間の報告に虚偽があったことから彼を懲戒処分とすべく4月第2週に本社に呼び出す予定にしていた。犯人はパイロットとしてのキャリアが絶たれることに強い危機感を持ち、解雇される前に自分の乗る便をハイジャックしてメンフィスのフェデックス本社ビルに衝突させ、本社ごと自爆しようとしていた。 犯人はハイジャックを事故に見せかけ、従業員に対する250万ドルという莫大な保険金をフェデックスから家族に払わせる計画だった。彼は社員しか乗っていない飛行機ならハイジャックを疑われることは少ないと考え、さらにハンマーなどの武器を選ぶことによりクルーの致命傷を墜落時の挫傷にみせかけ、検視結果からハイジャック犯に襲われた痕跡が見つからないようになることを意図していた。最終手段として水中銃もギターケースに入れて持ち込んでいた。またコクピットでの乱闘が記録されないよう離陸前にサーキットブレーカーを落としてコックピットボイスレコーダー(CVR)を一度停止させたが、直後に航空機関士が再び起動させたため、当時の会話はボイスレコーダに全て記録されている。 彼はハイジャックのために目星をつけた便にパイロットの振りをしてジャンプシートに乗り込んだ。正規のクルー以外のパイロットが便乗するのは実際は社則違反だが、社内ではパイロットのデッドヘッドは珍しくなかったため、彼が怪しまれることはなかった。
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