サティ:犬のための本当にぶよぶよした前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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サティ:犬のための本当にぶよぶよした前奏曲 | Veritables Preludes flasques(pour un chien) | 作曲年: 1912年 出版年: 1912年 初版出版地/出版社: Demets |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | きびしいいましめ "Severe reprimande" | 1分00秒 | No Image |
2 | 家でただ一人 "Seul a la maison" | 1分00秒 | No Image |
3 | 遊びましょう "On joue" | 1分00秒 | No Image |
作品解説
前作の《犬のためのぶよぶよした前奏曲》がデュラン出版社から拒否され一ヶ月後に改めて、3曲構成で題に(本物の)をつけられたこの曲を作曲した。
厳しいいましめと題された第一曲は、書式がトッカータ風に書かれている。バロック様式を取り入れたのであろうか。右手は8分音符四つのかたまりが続き、左手の低音部はオルガンの響きのような長い音価によってできている。右手の細かい動きを低音部が支えているようである。この曲中には『あたえよ、同じく、説得せよ、湿らせて、肉付きの良い、儀式張って、教育者のごとく』と指示されている。
「家でただ一人」と題された第二曲は、左手が8分音符六つのかたまりが続き、右手に悲しげな旋律がのる。ところどころにある、右手の休符が孤独の空間をますます感じさせている。二声対位法の書法によって書かれている。一曲めとはことなり、内向的な雰囲気になっている。曲中の指示には『さらに明るく、実質的に、注意深く』とつけられている。
お遊びと題された題三曲めは、右手が五度、四度進行の連続で書かれている。書法は、17世紀フランスの舞曲であったブーレを用いたのではないか。曲中の指示は『ほんのわずか、覆われた、模倣の、思いがけず、隔てて』とつけられている。
彼の創作期の作風として1912年はユーモア時代であるが、この作品は初期のバロック様式を用いた時期の作風が融合されている。
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