特許問題とその顛末
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 08:40 UTC 版)
「Graphics Interchange Format」の記事における「特許問題とその顛末」の解説
GIFは、データ圧縮アルゴリズムとして、1984年に発表されたLZWを使用しているが、このアルゴリズムについては米ユニシスが特許権を取得していた。この点に関し、ユニシスは当初はGIFにおけるLZWアルゴリズムの利用について利用料を請求しない方針を採っていたが、GIFフォーマットの利用が広まり、Webブラウザで標準的にサポートされるようになると、GIFにおけるLZWの利用について利用料を請求する方針に転換した。 この事により、GIF形式をサポートする画像編集ソフトウェアの制作者のみならず、そのソフトウェアを利用してGIF画像を制作した一般の利用者に対しても特許使用料が賦課される懸念が生じたため、GIF形式の特徴を備えたフリーな代替物としてPNGが開発された。 米国内では2003年6月20日にLZWの特許が失効し、日本国内でも2004年6月20日に特許が失効した。現在ではGIFは自由に使うことのできるフォーマットであると考えられている。そのため、GIFの利用者は再び増えており、一時的に公開が停止されていたGIFを生成・表示するソフトウェアも再公開されるようになっている。 しかし、インターネットの末端接続サービスは既にブロードバンド主体になっており、また端末であるパソコンの表現能力の飛躍的な向上により、フルカラー対応の圧縮形式(JPEGやPNGなど)の需要が高まり、256色までしか対応できないGIFの使用頻度は減少することとなった。また、GIFアニメーションの代わりに、高画質でギミックを組み込むことのできるAdobe Flashが利用される例もあった。 以上の理由から、以前より使用頻度は減少傾向にあるものの、長年使われてきたファイルフォーマットであり、対応しているソフトウェアも多いことから、GIFが利用されるケースは少なくない。特にバナーと呼ばれる広告表示用の画像は、広告媒体の入稿規定により、ファイル容量の上限と共にファイル形式をGIFで指定するものも多い。 いわゆるガラケーでは、2008年に日本国内で発売された携帯電話のうち、Docomoの端末ではGIF/JPEGが、auおよびソフトバンクモバイルの端末では搭載ブラウザにてGIF/JPEG/PNGが利用可能であるなど、画像の特性に合わせてGIFも積極的に利用されていた。
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