特別設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 09:09 UTC 版)
時には(特に最高電圧レベル用のトラス構造塔において)電波送信設備が実装され、アンテナが架空地線の上または下に設置される。通常これらの設備は携帯電話サービスや電力会社の運営無線用だが、場合によっては指向性ラジオ無線のような他のサービス無線用もある。エルベ横断塔1(英語版)にはハンブルクの水上航行管理局が保有するレーダー施設がある。 広い谷の横断に際しては、嵐の時に導体ケーブルが衝突して引き起こされる回線ショートを避けるため、導体間で大きく距離をとっておく必要がある。これを実現するため、時には各導体に別々の柱や塔が使用される。開けた海岸線で幅広い川や海峡を横断するには、船の航行用に大きな上方空間のゆとりが必要となるため非常に高い塔を建設しなければならない。そうした塔や横断する導体には、航空障害灯および反射鏡を備えておかなければならない。エルベ横断塔1 & 2は、よく知られている2本の河川横断塔である。後者のエルベ横断塔2(英語版)はヨーロッパで最も高い高さ227 mの架空線用柱である。スペインでは、カディス湾にある架空線横断用のカディス鉄塔(英語版)が着目すべき建造物である。主要な横断塔は高さ158 mで、錐台の骨組み構造の上に1本の腕金を有する。架空線の長さでは、世界2位がノルウェーのソグネフィヨルド横断(2本の径間長は4597 m)、世界一長いものがグリーンランドにあるアメレリック径間(英語版)(同5376 m)である。 架空線を急峻な深い谷に落とすために、時には傾斜した塔が使用される。米国にあるフーバーダムでは、コロラド州のブラックキャニオンの崖壁を下るために、そうした塔が使われている。スイスには、垂直に対して約20度傾いた塔が、ザンクト・ガレン州のザルガンス近郊にある。傾斜の大きい柱はスイスの2つの380 kV塔で使用されており、そのうち1本の頂点部32 m部分が垂直に対して18度曲がっている。 発電所の煙突には、たまに外へ向かう送電線の導体を引き留めるためのクロスバーが設置されているものもある。排ガスによる腐食問題が起こりうるため、このような構造はごく稀である。 オランダでは2010年から新型の塔が使用される予定である。その塔は、オランダの建築家ZwartsとJansmaによってミニマリスト構造として設計された。物理法則を使用した設計は、磁場を低減できるようにしたものである。また、周囲の風景への視覚的な影響も減らしている。 ハンガリーのÚjhartyán近郊にあるM5高速道路(英語版)の両側には、ピエロ形をした送電塔が2つ見られる 高さ128mのオカ川シューホフ送電塔(英語版)、ロシア エルベ川横断塔2、ドイツ 「アンティ(Antti)の階段」と題された、色鮮やかな「デザイナー」塔、フィンランド ウィントラック鉄塔、オランダ 高さ85mドニエプル川スタリ・コダキー送電塔、ウクライナ ミッキー鉄塔(Mickey Pylon)、フロリダ
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