航空障害灯とは? わかりやすく解説

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こうくう‐しょうがいとう〔カウクウシヤウガイトウ〕【航空障害灯】

読み方:こうくうしょうがいとう

航空機対し航行障害となる高い建物など存在知らせるために設置する灯火赤色点滅灯または白色閃光灯用いられる


【航空障害灯】(こうくうしょうがいとう)

航空機運行支障をきたす可能性のある高層建築物存在知らせるための灯火
航空法511項により、地表および海面から60m以上に達す建築物設置義務付けられている。

航空法511項
地表又は水面から60メートル上の高さの物件設置者は、国土交通省令定めところにより、当該物件に航空障害灯を設置しなければならない。但し、国土交通大臣許可受けた場合は、この限りでない。

航空障害灯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/01 01:48 UTC 版)

西新宿の高層ビル 赤く点灯または明滅しているのが航空障害灯
ライト、20 kmからのマンハイムの通信塔、40kmの視覚距離からの背景の風力タービンによる航空障害物の特定

航空障害灯(こうくうしょうがいとう)は、夜間に飛行する航空機に対して超高層建築物管制塔発電所などの建築物、あるいは煙突鉄塔といった構築物の存在を示すために使用される赤色または白色の電灯であり、これらは点灯または明るくなったり暗くなったりする明滅を行う。

航空保安施設のうち、航空灯火のひとつ。

概要

日本国内において、航空法第51条により地表又は水面から60メートル以上の高さの建造物などには航空障害灯の設置が義務付けられている。

さらに、骨組構造の建造物や細長い煙突には昼間障害標識(赤白の塗装)の設置を義務付けられているものがある。

また、超高層ビルが密集している地域の場合、60メートル以上でも一部のビルには障害灯を設置しなくてもよい場合がある。

なお、日本において最初に航空障害灯が設置されたのは、東京タワーである。

航空障害灯の種類

航空障害灯は航空法施行規則第127条で分類されており、低光度、中光度、高光度などいくつかの種類がある。高光度の赤色障害灯は存在しない。 光源は白熱電球が主だが、航空障害灯メーカーの多くは長寿命かつ消費電力の少ないLEDを用いる航空障害灯をラインナップに加えている。

低光度航空障害灯(LED式)

低光度赤色航空障害灯

高さ60メートル以上の建造物に設置される。明滅はしない[1]。10cd、32cd、100cdなどの明るさの物がある。建設用クレーンに点いているのはこの種類の航空障害灯である。

  • 60メートル以上150メートル未満の高層ビルの場合、屋上の四隅に100cdの低光度障害灯を設置する。
  • 150メートル以上の超高層ビルの場合、屋上の四隅のうち2箇所(残り2箇所は中光度赤色障害灯)とこれより52.5メートル毎ずつ下に設置する。ただし、高さ97.5メートル未満の位置には設置しない。
  • 60メートル以上の鉄塔・煙突の場合、昼間障害標識を設置するか、白色航空障害灯を設置する。昼間障害標識を設置する場合、赤色航空障害灯の設置が必要である。
中光度航空障害灯(LED式)

中光度赤色航空障害灯

電球式の物は低光度のものを縦に二つ重ねたような形をしている。明るさは多くの物が1600cdであり明滅する。90メートル以上の煙突・鉄塔の最上部に設置が義務付けられていて、さらに高さ210メートル以上になると、最上部と最上部より105メートル下の位置に中光度の障害灯を設置する。

150メートル以上の超高層ビルについては、最上部の四隅のうち2箇所に、対になるように設置することが義務付けられている。残りの2箇所には100cdの低光度赤色航空障害灯を設置する。

白色航空障害灯

カメラのフラッシュのように閃光を発する航空障害灯である。中光度と高光度の物があり、60メートル以上の煙突・鉄塔で昼間障害標識を設置しない場合に中光度の白色航空障害灯の設置が義務付けられている。150メートル以上の煙突・鉄塔には高光度の白色航空障害灯が設置を義務付けられている。超高層ビルには白色航空障害灯は設置しない。

航空障害灯の設置される例

煙突・鉄塔・骨組構造

赤色航空障害灯が設置される場合もあれば、閃光を発する白色航空障害灯が設置されている場合もある。

高層ビル

ビルの場合、赤色以外の航空障害灯は設置されない。

その他

あまりにも大きい銅像・石像などにも設置されることがある。日本では牛久大仏(全高120メートル)や仙台大観音(全高100メートル)などの例がある。また60メートルに満たない建造物でも、県営名古屋空港に近い小牧山愛知県小牧市)の頂上にある小牧城に設置されている例もある。 また、北海道旭川市に所在したイオン春光店は、3階建てながら、陸上自衛隊旭川駐屯地に隣接し、滑走路の末端に近いため、航空障害灯が2か所設置されていた。

脚注

  1. ^ ただし建設用クレーンなど一部の物件では明滅する場合がある。
  2. ^ 150メートル未満の高層ビルの場合、最上部の四隅に赤色航空障害灯の設置が義務付けられている。
  3. ^ 150メートル以上の超高層ビルの場合、最上部と最上部より下へ52.5メートルごとに設置が義務付けられている。この場合、最上部を中光度赤色の障害灯、それより下の位置へは下に向かって低光度→中光度→低光度というように交互に設置する。ただし中光度障害灯は100cdの低光度障害灯に代えて設置することができる。

関連項目

外部リンク


航空障害灯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 04:36 UTC 版)

航空航法」の記事における「航空障害灯」の解説

夜間または計器飛行状態における航空機航行障害となる建築物など視認させるための灯火地表または水面から60m以上の高さの建築物、およびこれ以外でも特に航空機航行障害となるような建築物には赤の点滅灯火設置される

※この「航空障害灯」の解説は、「航空航法」の解説の一部です。
「航空障害灯」を含む「航空航法」の記事については、「航空航法」の概要を参照ください。

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