爆発の再現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 17:17 UTC 版)
2005年に放映されたITVの番組『The Gunpowder Plot: Exploding The Legend(火薬陰謀事件:爆発の伝説)』では、貴族院の実物大レプリカを作り、合計1トンの火薬樽を使って爆破実験を行った。実験はADVANTICA社が所有するスペイダム実験場で行われ、火薬が正常に使用されていれば、爆発によって建物内の全員が死亡しただろうことが実証された。爆発の威力は、地下室を構成する深さ7フィート (2.1 m)のコンクリート壁(史料に基づいて旧貴族院の材質を再現したもの)のうち、玉座の直下に当たる樽があった端の壁は瓦礫と化し、隣接していた部分の壁もそれに巻き添えになる形で押しのけられるようになっていた。爆風の威力を計算するために建物内に置かれていた測定器は、爆発によって破壊される直前に目盛りがオーバーしたことが記録されていた。廷臣や貴族、司教たちに囲まれる形で、玉座に置かれていたジェームズを模した人形の頭部の一部は、かなり離れた場所から発見されたという。番組によれば、爆発から半径330フィート (100 m)以内にいた者は死亡し、ウェストミンスター寺院のステンドグラスはすべて粉々になり、宮殿周辺の窓もすべて粉々になっただろうと推測している。この爆発は何マイルも離れたところからも見ることができ、音ならさらに離れていても確認できたと思われる。フォークスが覚悟していたように、仮に火薬の半分しか爆発しなかったとしても、貴族院とその周辺にいた全員が即死したものと考えられる。 また、番組では火薬が劣化していれば爆発は起こせなかったという説も検証し、否定した。意図的に劣化させ、火器にも使えないような低品質の火薬の一部を山積みにして点火しても大きな爆発を起こすことができた。すなわち、劣化していても木樽の中に詰めれば、質に関係なく衝撃を拡大させることができた。圧縮された火薬はまず樽の上部から吹き上がり、数ミリ秒後に吹き飛ぶという大砲のような効果を見せた。計算すると火薬の扱いに長けていたフォークスは必要な量の2倍用意していたことがわかった。フォークスが使用したものと同じサイズの樽の中に、イギリスで入手可能な当時と同じ火薬12キログラム (26 lb)を入れて爆発させるテストを行ったところ、プロジェクトの専門家たちは、圧縮がもたらす爆発の効果に非常に驚いたという。 フォークスが守っていた火薬の一部は現存している可能性がある。2002年3月、大英図書館で日記作者ジョン・イーヴリンのアーカイブを目録化していた作業員が、多数の火薬のサンプルが入った箱を発見した。この中にはガイ・フォークスが所有していたというイーヴリンの簡易な自筆メモが入っているものも含まれていた。19世紀に書かれた別のメモがこの出所を確認していたが、1952年に付け加えられたメモには「しかし、もう何も残っていなかった!(but there was none left!)」とあった。
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