潜在意識・筋肉疲労説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 17:36 UTC 版)
「コックリさん」の記事における「潜在意識・筋肉疲労説」の解説
参加者の潜在意識(予期意向)が反映され、無自覚に指が硬貨を動かすという説。ファラデーや井上円了、フランスの化学者、M・シュブルールなどはこの説をとった。 森田正馬(森田療法で有名)は参加者が霊に憑依されたと自己暗示(自己催眠、 祈祷性精神病 と命名)に罹るとの見方を示した。複数人に同様な症状がおきる感応精神病(フランス語: folie a deux(フォリアドゥ))の発生もよく知られる。 テレビ番組の『特命リサーチ200X』が小学生を対象とした検証を行った際、信じている人の班だけが動き、信じていない人の班は止まったままだった。さらに日本の首都や人気野球選手の背番号といった質問では十円玉が正答を指し示したが、簡単な英語での質問や過去のアメリカ大統領名など、本人達の知識を超えた問い掛けには紙の上を迷走するだけだった。また、被験者の小学生にアイマークレコーダーを装着させ視線の動きを観察したところ、質問を聞いた際、十円玉の動きに先行して回答となる語句の文字を目で追っていた。 潜在意識説と合わせて、不覚筋動にもよるとされる。硬貨に指を添える体勢を取り続ける際にどうしても僅かに腕が動いてしまう。同じ姿勢を取り続けると、あっという間に筋肉が疲労するため、不覚筋動(Ideomotor phenomenon)が起こる。それらの力が集中しコインが動くと、今度は動いた方向へ力を入れて動かそうとする意識が完全に働くというものである。上記のテレビ番組で解説した理学博士の板倉聖宣は、不覚筋動と潜在意識の混合でコックリさんの動きが起きるとの説を採った。 井上円了は普及当時から研究に取り組み、「世人のこれを信ずるゆえんを明らかにしたるをもって、ここにその道理を述べて、いささか愚民に諭すところあらんとす」として『妖怪玄談』を記した。その中で「コックリに向かって答えを得るは、極めて単純なることか、または一般に関することに限り、その複雑または細密のことに至りては、コックリの応答を得ること難し。例えば、コックリに向かって明日は雨か晴れかをたずぬるときは、その応答を得べきも、何時何分より雨降り、何時何分に風起こるかをたずぬるも、決してその応答を得べからず。これまた、コックリは鬼神のなすところにあらざる一証なり。」と、予期意向と不覚筋動が原因であると結論付けた。
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