海底同軸ケーブルによる電話回線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 16:59 UTC 版)
「海底ケーブル」の記事における「海底同軸ケーブルによる電話回線」の解説
1927年、負帰還増幅器が開発され、同軸ケーブルによる多重搬送が可能になった。その後英米両国により同軸ケーブルによる海底電話ケーブルの研究が進められた。 アメリカは1930年代からベル研究所により研究が進み、1950年、キーウェスト-ハバナ間で同軸ケーブルの試験を行った。そして1956年、初の大西洋横断電話ケーブル TAT-1 がスコットランド-ニューファンドランド間に敷設、シーメンスの子会社に所有された。その後、アラスカ、プエルトリコなどにもケーブル敷設を行った。 イギリスも1938年ごろから郵政庁を中心に研究が進み、1943年、アイリッシュ海にケーブルを敷設した。その後改良したケーブルで、1961年にカナダとイギリスを結ぶケーブル CANTAT-1 をテレグローブ(2005年にタタ・グループが買収)が敷設した。さらに、バンクーバー-ハワイ-ニュージーランド、オーストラリアを結ぶ COMPAC と、香港-マレーシアを結ぶ SEACOM を敷設した。 以後も英米を中心に海底同軸ケーブルは世界中にはりめぐらされていった。また、通信システムも向上した。ケーブル自体の高性能化や、中継器にトランジスタを使用する(1968年)などの技術革新で、広帯域化が進んだ。そして海底ケーブルは電信や電話だけでなく、ファクシミリやテレビ放送の通信も行うようになった。 一方、無線通信はこれまでの短波通信に代わるものとして、1950年代後半から衛星通信の開発が進んだ。衛星通信は海底ケーブルに比べて回線容量が大きく、しかもケーブルが通っていない地域とも通信できるという利点があった。しかし、以前の短波通信と同じく通信が不安定という欠点も持っていた。そのため、両者は互いの欠点を補いながら発展していった。
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