海上航空宇宙博物館として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 16:05 UTC 版)
「イントレピッド (空母)」の記事における「海上航空宇宙博物館として」の解説
1982年8月、退役後のイントレピッドを博物館として再利用することが決定され、船体はニューヨーク市マンハッタン中心部西46番通り(West 46th Street)の西端でハドソン川に張り出している86番桟橋(Pier 86)に係留され、「イントレピッド海上航空宇宙博物館(Intrepid Sea-Air-Space Museum)」として生まれ変わり、多くの観光客を集めるマンハッタンの名所のひとつとなった。 しかし築80年以上になる86番桟橋は老朽化が著しく、構造強度の劣化から崩壊の可能性が指摘されると、2006年にはこの86番桟橋を近代的なものに改築するのと同時に、イントレピッドにも補修改修工事を施すためにハドソン川を約8キロメートル下ったニュージャージー州ベイヨンのドライドックへ一時移動させることになった。そこで夏から秋にかけて船体周辺の河床堆積土砂を浚渫し、この年の大潮満潮が最大となる11月6日、タグボートが6隻でイントレピッドの曳航を試みたが、24年間に予想以上に堆積していた土砂にスクリューをとられて離岸直後に座礁してしまった。このため一時は船体を解体して撤去する可能性までもが取り沙汰されたが、海軍および陸軍工兵司令部の協力を得て詳細な調査を行ったところ、もう少し堆積土砂を撤去すれば次の大潮満潮時に離礁させることが可能という結論に至り、さらなる浚渫を行った結果、同年12月5日に離礁に成功した。ドックに曳航されたイントレピッドには、飛行甲板の修理、未公開エリアの整備、外装の再塗装などの補修改修工事が施され、2008年秋には再建された86番桟橋に無事に戻され、博物館として再オープンした。 2018年現在では、本艦で運用されていた各種航空機に加え、空母艦載機ではないSR-71ブラックバードや、冷戦期の旧ソ連製のMiG-21戦闘機、スペースシャトル「エンタープライズ」、超音速旅客機コンコルド等が展示されている。 なお、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件直後には、博物館は一時的に閉鎖され、同事件に関わる米国連邦捜査局(FBI)の臨時のオペレーションセンターとなった。
※この「海上航空宇宙博物館として」の解説は、「イントレピッド (空母)」の解説の一部です。
「海上航空宇宙博物館として」を含む「イントレピッド (空母)」の記事については、「イントレピッド (空母)」の概要を参照ください。
- 海上航空宇宙博物館としてのページへのリンク