活字やフォントにおける漢字表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 15:53 UTC 版)
「日本における漢字」の記事における「活字やフォントにおける漢字表記」の解説
中国の漢字は象形文字として、その成立の時代において既に美や卜占など呪術・宗教的要素を含んでおり(甲骨文字)、その造型性が支えられていた。漢字は後に篆書、隷書、楷書、行書、草書などの書体を完成し日本にも伝わり、日本においてもそれぞれの書体を通じて美の追求と創造が試みられている。しかし、活字やフォントのみを文字と考える現代の文化について、白川静は『文字逍遥』に「漢字の本質からいえば、あの活字として図形式されたものは、むしろ文字の符号であり、装飾体であって、文字そのものではないともいえるのである。文字を図形的に整形しようとする常用漢字における字形観は、明らかにそのような頽廃と堕落のうちから生まれたものである。」と記している。 筆画の省略自分自身や仲間内にだけ見せる手書きのメモで、画数が多い漢字を簡略化して書くことは多い。このほかにも従前から、自動車のナンバープレートや交通標識、外国映画の日本語字幕などには、筆画を省略した独自の字体が採用されてきた。これらの場合は高い視認性という要請がある。またパーソナルコンピューターや携帯電話機などでは、機器の多画字表示能力の低さ、表示画面の狭隘などから、漢字の筆画を省略した新たな字体が採用され、多くの日本語使用者の目にするところとなっている。それらの新字体について石川九楊は「将来の日本語、さらには日本文化・日本人の精神に悪影響を及ぼすのではないか」と懸念するコメントを出している[要出典]。
※この「活字やフォントにおける漢字表記」の解説は、「日本における漢字」の解説の一部です。
「活字やフォントにおける漢字表記」を含む「日本における漢字」の記事については、「日本における漢字」の概要を参照ください。
- 活字やフォントにおける漢字表記のページへのリンク