汎アラブ色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/05 02:13 UTC 版)


汎アラブ色(はんアラブしょく)とは、アラブ諸国の国旗に用いられる配色の名称である。イスラム・アラブ色とも言われる。
フサイン・イブン・アリーがアラブ反乱で用いたアラブ反乱旗に起源を持つとされ、赤、黒、白そして緑を基調とするのが普通である。赤は聖戦によって流された尊い血と犠牲を、緑は豊かな国土を、白は清浄な生活を、黒は過去の圧政や戦争を表す。17世紀にバクダットで活躍した詩人がそれぞれの人にたとえた詩に基づいているという説もある[1]。
赤・白・黒の国旗を採用しているのはエジプトおよびイエメンである。これに緑を加えた国旗は、アラブ首長国連邦、イラク、クウェート、シリア、スーダン、ソマリランド、西サハラ、パレスチナ、ヨルダン、リビアで使われている。
汎アラブ色のそれぞれの色は、歴代のアラブ系指導者やムスリム政権を表すとされる。黒は預言者ムハンマドの色であり、白はウマイヤ朝においてバドルの戦いを思い出させるためのシンボル色とされた。緑はファーティマ朝においてアリー・イブン・アビー=ターリブを支持することを示す色とされ、赤はハワーリジュ派の旗となり、後には北アフリカ(マグリブ)やイベリア半島(アル=アンダルス)の政権の色となった。
汎アラブ色を国旗に用いないアラブ諸国も、これらの色のうちのいくつかを使う。例えばアルジェリアとレバノンは緑・白・赤を使う(黒は使わない)。
現在使用されている国旗
主権国家
国際社会から広く承認を得られていない地域の旗
現在使用されていない国旗
脚注
- ^ 吹浦忠正『世界の国旗図鑑』主婦の友社、2020年。
関連項目
汎アラブ色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/30 07:12 UTC 版)
国旗に使われている色は伝統的な汎アラブ色であり、イエメン、エジプト、スーダン、イラクとも共通する。二つの星はアラブ連合当時の二つの地域(シリアとエジプト)を象徴している。緑は正統カリフまたはファーティマ朝を、白はウマイヤ朝を、黒はアッバース朝を、赤は殉教者を表すとされるが、赤はヒジャーズのハーシム家を表すという見方もある。
※この「汎アラブ色」の解説は、「シリアの国旗」の解説の一部です。
「汎アラブ色」を含む「シリアの国旗」の記事については、「シリアの国旗」の概要を参照ください。
- 汎アラブ色のページへのリンク