求電子性と酸性についてとは? わかりやすく解説

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求電子性と酸性について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/01 21:51 UTC 版)

求電子剤」の記事における「求電子性と酸性について」の解説

求電子剤反応性強弱求電子性きゅうでんしせい、electrophilicity)と呼ぶ。ある化学反応考えにあたり、ある化学種について「求電子性大きい」というときは、反応相手求核剤)の電子対す親和性高く反応速度大きいことを示している。例として下図反応説明するE+ = 求電子剤Nu- = 求核剤、k = 反応速度定数 このような反応で、「E+求電子性大きい」というときは、「k が大きい」ことを示している。 求電子性大小は、陽電荷強さイオン価ではなく実効電荷強度)だけではなく電子共有することで生成あるいは改変される分子軌道の(求電子剤であれば多く場合 LUMO の)エネルギー準位立体因子などによっても決定される。それらが、遷移状態における活性化自由エネルギー大小決め反応速度決定付けるためである。HSAB則はある求核剤対す求電子剤反応性を半経験的に定式化したもので、反応相手の求に応じて変化する求電子性大小予測評価する指標となる。 一方、酸の強弱を表す指標として酸性さんせいacidity)という用語が存在する。これは酸塩基反応反応生成物平衡状態においてどの程度割合生成するかという比率表している。例として下図ルイス酸-塩基反応説明する。 A = ルイス酸、:B = ルイス塩基、k = 正反応錯体形成会合)の反応速度定数、k-1 = 逆反応解離)の反応速度定数Ka = k / k-1 (平衡定数会合定数)(k, K の小文字大文字注意このような反応で、「A の酸性大きい」というときは、「Ka大きい」ことを示している。 酸性度は、平衡状態における基質生成物との存在比に基づくため、正反応逆反応速度定数の比、すなわち平衡定数会合定数)の大小評価される逆反応考えなければならない点が、求電子性評価場合大きく異なる。特に立体障害大き化学種などでは、正反応逆反応がともに遅くなるため、求電子性反応速度)が小さ求電子剤において酸性度小さいとは限らないそのような見地からすると上図のような錯体形成場面においては求電子性結合生成速度論支配因子Kinetic factor)であり、酸性度熱力学支配因子(Thermodynamic factor)となる。 ブロンステッド酸(H+与える酸)の場合酸性度は、共役塩基との酸塩基平衡反応と、そこでの酸解離定数 (例:Ka = [A-][H+] / [AH])を用いて同様に考える。

※この「求電子性と酸性について」の解説は、「求電子剤」の解説の一部です。
「求電子性と酸性について」を含む「求電子剤」の記事については、「求電子剤」の概要を参照ください。

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