水縄断層
名称: | 水縄断層 |
ふりがな: | みのうだんそう |
種別: | 天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 福岡県 |
市区町村: | 久留米市山川町 |
管理団体: | |
指定年月日: | 1997.07.28(平成9.07.28) |
指定基準: | 地5 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 平成四年、久留米市教育委員会による「山川前田遺跡」第一次発掘調査が行われた。この調査により、噴砂や土師器の落ち込んだ地割れとともに断層の一部が発見された。翌年秋の2次調査の結果、この断層は『日本書記』に記さている天武7年(679)に発生した「築紫国地震」(マグニチュード6・5-7・5)の震源となった断層であることが明らかになり、水縄断層と名づけられた。さらに、断層活動はAT火山灰層(約25、000年前)堆積前に1回、堆積後に3回あり、活動周期は短くても8、000年程度であることもわかった。いちばん新しい地震が1、300年前に起こっているので、次の活動は当分先ということになる。 水縄断層は東西方向に延び、福岡県久留米市付近から東方へ断続的に30キロメートルほど追跡できる。この地域での断層は、北側が1メートル程度落ち込んだ正断層である。小規模ではあるが、噴砂現象・断層による引きずり・地割れ等、断層活動にともなうさまざまな現象が狭い範囲で明瞭に観察できる。歴史資料と対応する地震断層としては日本で最古であり、世界的にも重要な記録である。 |
天然記念物: | 比婆山のブナ純林 気多神社社叢 水原のハクチョウ渡来地 水縄断層 永利のオガタマノキ 永明寺のキンモクセイ 江戸城跡のヒカリゴケ生育地 |
水縄断層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 14:52 UTC 版)

水縄断層(みのうだんそう)は、福岡県久留米市にある断層。国指定の天然記念物(1997年指定)。
『日本書紀』に記されている筑紫地震(679年)の震源となった断層と考えられている。
水縄断層帯は水縄山地を縁取るように分布し、幾つかの雁行ないし並行する断層から構成され、西側から追分断層、高椋断層、柳坂断層、宮園断層、若木断層、草野断層、益生田断層、福益断層、屋部断層、流川断層と呼ばれる10断層から構成される[1]。水縄山地北麓の斜面は熱変成を受けたホルンフェルスと花崗岩を切る急傾斜の断層崖とされる[2]。
追分断層のトレンチ調査から2万数千年前の姶良Tn火山灰堆積以降に3回の地震痕跡が認められ、最新の活動が679年の筑紫地震によるものと推定されている[3]。この断層の総延長は東西約20km、右横ずれ成分含む北側傾斜の正断層と推定されており、上下の平均変位速度は0.2m/千年、平均活動間隔は14,000年程度と推定されている[4]。
脚注
- ^ 千田昇「九州における活断層ストリップマップの試作 小倉東断層,水縄断層系の例」(pdf)『活断層研究』第8号、1990年、105-113頁、doi:10.11462/afr1985.1990.8_105。
- ^ 松本達郎「筑肥山地変成岩地域の地質」『鈴木醇教授還暦記念論文集』1958年、141-161頁。
- ^ 千田昇、松村一良、寒川旭、松田時彦「水縄断層系の最近の活動について」『第四紀研究,』第4号、1994年、261-267頁、doi:10.4116/jaqua.33.261。
- ^ 千田昇「中部九州・水縄山地北麓の断層変位地形」『岩手大学教育学部研究年報』第40巻第2号、1981年、67-78頁、doi:10.15113/00011929。
参考文献
- 国立天文台編 『理科年表 平成19年』 丸善、2006年、ISBN 4-621-07763-5。
関連項目
外部リンク
- 水縄断層帯の長期評価について - 地震調査研究推進本部 地震調査委員会
- 活断層データベース 水縄活動セグメント - 産業技術総合研究所
- 1:25,000活断層図 久留米(技術資料D1-No.388) - 国土地理院
- 水縄断層 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
座標: 北緯33度18分38.5秒 東経130度33分42.9秒 / 北緯33.310694度 東経130.561917度
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