水素化ヒ素とは? わかりやすく解説

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アルシン

(水素化ヒ素 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/10 02:35 UTC 版)

アルシン

  1. ヒ素の水素化物。本稿で詳述する。(英語: arsine)
  2. 帝政ロシアにおける長さの単位。(英語: arshin)。アルシン (単位)を参照。
  3. カナダのプロボクサー、ヨアキム・アルシン

アルシン

  ヒ素, As
  水素, H
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.029.151
EC番号
  • 232-066-3
Gmelin参照 599
KEGG
PubChem CID
RTECS number
  • CG6475000
UNII
国連/北米番号 2188
CompTox Dashboard (EPA)
特性
化学式 AsH3
モル質量 77.9454 g/mol
外観 無色の気体
匂い かすかに、ニンニクのような
密度 4.93 g/L, 気体; 1.640 g/mL (−64 °C)
融点

−111.2 °C, 162 K, -168 °F

沸点

−62.5 °C, 211 K, -81 °F

への溶解度 0.2 g/100 mL (20 °C)[1]
0.07 g/100 mL (25 °C)
溶解度 クロロホルム、ベンゼンに溶ける
蒸気圧 14.9 atm[1]
共役酸 アルソニウム英語版
構造
三角錐
0.20 D
熱化学
標準モルエントロピー So 223 J⋅K−1⋅mol−1
標準生成熱 fH298)
+66.4 kJ/mol
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
極めて毒性が高い、爆発性、引火性、潜在的な職業性発癌物質[1]
GHS表示:
Danger
H220, H330, H373, H410
P210, P260, P271, P273, P284, P304+P340, P310, P314, P320, P377, P381, P391, P403, P403+P233, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
Health 4: Very short exposure could cause death or major residual injury. E.g. VX gasFlammability 4: Will rapidly or completely vaporize at normal atmospheric pressure and temperature, or is readily dispersed in air and will burn readily. Flash point below 23 °C (73 °F). E.g. propaneInstability 2: Undergoes violent chemical change at elevated temperatures and pressures, reacts violently with water, or may form explosive mixtures with water. E.g. white phosphorusSpecial hazards (white): no code
4
4
2
引火点 −62 °C (−80 °F; 211 K)
爆発限界 5.1–78%[1]
致死量または濃度 (LD, LC)
2.5 mg/kg (静脈)[2]
  • 120 ppm (ラット, 10 分)
  • 77 ppm (マウス, 10 分)
  • 201 ppm (ウサギ, 10 分)
  • 108 ppm (イヌ, 10 分)[3]
LCLo (最低致死濃度)
  • 250 ppm (ヒト, 30 分)
  • 300 ppm (ヒト, 5 分)
  • 25 ppm (ヒト, 30 分)[3]
NIOSH(米国の健康曝露限度):
PEL
TWA 0.05 ppm (0.2 mg/m3)[1]
REL
C 0.002 mg/m3 [15-分][1]
IDLH
3 ppm[1]
関連する物質
関連する水素化物 アンモニア
ホスフィン
スチビン
ビスムチン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アルシン英語: arsine)とは、化学式が AsH3 と表される、ヒ素水素化合物である。水素化ヒ素英語: arsenic hydride)や、ヒ化水素 (英語: hydrogen arsenide) とも呼ばれる。

性質

アルシンの化学式はAsH3であるため、その分子量は、77.95である。アルシンの常圧における融点は-116 ℃、沸点は-62 ℃なので、常温常圧では気体として存在する。なお、気体のアルシンに色は無い。

立体構造アンモニアに近いが、水素の結合角はアンモニアのそれよりも小さく直角に近い。極性溶媒に溶け易く、有機溶媒に溶け難い。しかし、窒素の電気陰性度が3.0のアンモニアとは異なり、ヒ素の電気陰性度は2.0なのに対して、水素の電気陰性度は2.1と、極性が弱いためアルシンは水素結合を作らない。

アルシンは還元作用を示し、例えば、硝酸銀水溶液に通ずるとを遊離する。なお、その標準酸化還元電位は以下の通りである。

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