五塩化ヒ素とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 五塩化ヒ素の意味・解説 

五塩化ヒ素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/20 00:29 UTC 版)

五塩化ヒ素
Ball-and-stick model of a single molecule
Ball-and-stick model of the crystal structure
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
PubChem CID
CompTox Dashboard (EPA)
性質
AsCl5
モル質量 252.1866 g/mol
融点 −50 °C (−58 °F; 223 K)
危険性
GHS表示:
Danger
H280, H350, H361, H370, H372
P201, P202, P260, P264, P270, P281, P307+P311, P308+P313, P314, P321, P405, P410+P403, P501
NIOSH(米国の健康曝露限度):
PEL
[1910.1018] TWA 0.010 mg/m3[1]
REL
Ca C 0.002 mg/m3 [15分][1]
IDLH
Ca [5 mg/m3 (As)][1]
構造
三方両錐形 (D3h)
関連する物質
関連する五塩化物 五塩化リン
五塩化アンチモン
関連物質 五フッ化ヒ素
三塩化ヒ素
五酸化ヒ素
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is  N ?)

五塩化ヒ素(ごえんかヒそ、英語: Arsenic pentachloride)は、化学式AsCl
5
で表されるヒ素塩素無機化合物である[2]。1976年に、-105 ℃の液体塩素中で三塩化ヒ素に紫外線を照射することで初めて合成された[3]。約-50 ℃で分解する。固体の構造は2001年に決定された[4]。AsCl5五塩化リンと同様に三方両錐形分子構造をとり、赤道上の結合は軸方向の結合よりも短い。(As-Cleq = 210.6 pm,211.9 pm, As-Clax= 220.7 pm)

第15族元素の五塩化物である五塩化リンと五塩化アンチモンははるかに安定であり、AsCl5は異常に不安定である。これは、第一遷移系列に続く4pブロック元素(ガリウムゲルマニウムヒ素セレン臭素クリプトン)において、原子核の遮蔽が不完全であり、これにより4s電子が安定になり、結合に利用されにくくなるためと考えられている。この効果はdブロック収縮と呼ばれており、ランタノイド収縮と呼ばれるfブロック収縮に類似する。

脚注

  1. ^ a b c NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0038
  2. ^ Greenwood, Norman N. [英語版]; Earnshaw, Alan (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). Butterworth-Heinemann. doi:10.1016/C2009-0-30414-6. ISBN 978-0-08-037941-8.
  3. ^ K. Seppelt (1976). “Arsenic Pentachloride, AsCl5”. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 15 (6): 377–378. doi:10.1002/anie.197603771. 
  4. ^ “Solid State Structures of AsCl5 and SbCl5”. Zeitschrift für anorganische und allgemeine Chemie 628 (4): 729–734. (2002). doi:10.1002/1521-3749(200205)628:4<729::AID-ZAAC729>3.0.CO;2-E. 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  五塩化ヒ素のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「五塩化ヒ素」の関連用語

五塩化ヒ素のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



五塩化ヒ素のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの五塩化ヒ素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS