気象の予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 14:51 UTC 版)
詳細は天気予報を参照。 人間活動において、気象は生活に深く関わってきた。農耕においては雨の多い少ないが作物の出来に影響し、狩猟や漁では風向きを知ることが収獲の良し悪しや自身の安全に関わる。このような理由から、例えば「朝焼けがあれば雨が降る」といった経験に基づく伝承、現在でいう観天望気を通じて天気を「読む」ことが行われた。一方、雨乞いなどの信仰とも結びついた行為も行われてきた。 天気の伝承の中には、現在の気象学から考えても正しいものもある。長い間観天望気による予測が行われたが、物理学などの諸科学の発展により、ヨーロッパにおいては中世ごろから気象現象を科学的に解明することが始まった。19世紀に電報が発明されてから遠距離間で気象情報を伝達できるようになったことをきっかけに、本格的な科学的予測が始まった。20世紀初頭に数値予報が初めて考案され、当初はその計算量の多さから不可能とされていたが、1970年代の高性能コンピュータの普及によって大量計算が可能になってからは大きく科学的予測が発展した。また1960年代に登場した気象衛星は気象観測の幅を広げ、精密機械や通信機器の開発に伴って気象観測の自動化・無人化も進んでいる。 漁業においては、例えば日和山から観天望気を行い出港を判断していたものが、現代は漁業気象として提供される漁業に特化した気象情報を通じて安全が図られている。また、農業では動植物や自然の変化を季節の変化の目安として伝える、現在で言う季節学に近いことが農事暦などを通じて行われていたが、現代は天気予報に重点が移り農事暦を用いることは少なくなってきている。また、20世紀に生まれた航空の分野でも気象は非常に重要視されており、航路や離着陸地の安全のための情報などに特化した航空気象が提供されている。
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