気象と地形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/22 18:37 UTC 版)
気候はニューファンドランド以上に厳しく、大西洋岸の気候よりは北極圏の気候に近いものがある。冬は長くて寒く、夏は短く気温もあまり上がらない。大陸東岸にあるラブラドールは、季節ごとに海上の寒気団や暖気団の動きに影響される。夏の間だけはある程度気温の上がる内陸部では森林(亜寒帯林)が形成されているが、農業には適していない。 地形は主に高原であり、北部には高さ1500mを超える険しいトーンガット山脈(トーンガト山脈、Torngat Mountains)が、南部には高さ1200mほどのミーリー山脈(Mealy Mountains)があり、海岸線は入り組んで多くの湾を形成している。 ラブラドールの険しい気候は、海に影響されている。ラブラドル海沿いは冬は流氷で埋め尽くされるほか、海には年のうち8か月は氷山が浮いている。海水温は摂氏マイナス4度ほどに保たれている。寒流のラブラドル海流を超えて吹く湿った東風は、ラブラドール地方に涼しい夏と霧雨とをもたらす。7月の日中気温は海岸部で10度ほど、内陸部ではそれより3度から5度ほど暖かい。西からの風は穏やかで、こちらが強くなれば日照時間も増える。 冬はニューファンドランド以上に寒く、1月の気温は日中でもマイナス15度まで下がる。大西洋からの強風が吹き、霧がたちこめ、大雪が降る。ただし大西洋からの嵐は、夏の冷風とは逆に、寒さを和らげるほうに作用する。 降水量はニューファンドランドよりは少ないが、年降水量800mmほどのうち雪が半分近くを占める。陸地は年の半分以上は雪で覆われ、内陸のチャーチル・フォールズ・ダム付近で481cmの積雪量を記録したことがある。行政中心地の海沿いのグースベイでも積雪量445cmを、カートライトでも440cmを、北部海岸のネーンでも424cmを記録したことがあるほどで、ラブラドールはカナダ有数の豪雪地帯となっている。
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