民謡・俗謡
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西南戦争を歌った民謡・俗謡として、「田原坂(豪傑節)」「豪傑節(新豪傑節)」がよく知られている。両者は文句が共通で、節が異なる。大正期に熊本留吉がレコードの両面に吹き込んだのが最初で、当初は括弧内のタイトルを用いていた。タイトルの通り「田原坂(豪傑節)」が元唄で、「豪傑節(新豪傑節)」は元唄を三弦調にアレンジしたものである。その後、「田原坂(豪傑節)」は美ち奴、赤坂小梅等がレコード化し全国的に知られたが、一般に「豪傑節(新豪傑節)」の方がより流行し山村豊子、赤坂小梅、新橋梅寿、新橋喜代三など多くの歌手がレコード化している。戦後には「豪傑節(新豪傑節)」をモチーフに作られた「雨の田原坂」という歌謡曲も作られ、神楽坂はん子がレコード化してヒットした。また昭和40年代には、元は速いテンポで唄われていた「田原坂(豪傑節)」のテンポをやや落としてはずんだリズムにし、音頭風のアレンジを施した「田原坂」を赤坂小梅がレコード化し、盆踊りや市街地の流し踊り等で盛んに流され流行した。 「田原坂(豪傑節)」 雨は降る降る人馬は濡れる、越すに越されぬ アラ田原坂 右手(めて)に血刀左手(ゆんで)に手綱、馬上豊かな アラ美少年 春は桜秋ならもみじ、夢も田原の アラ草枕 草を褥に夢やいずこ、肥薩の天地 アラ秋さびし ※留吉や美ち奴のレコードでは「アラ」を挿入して唄っているが、赤坂小梅の音頭調のアレンジでは「アラ」を省いて唄っている。 「豪傑節(新豪傑節)」 雨は降る降る人馬は濡れる、越すに越されぬ田原坂 ※以下、歌詞は共通。 上記2曲に比べると知名度はやや劣るが、戦前には「隊長さん節」という俗謡も流行し、山村豊子、赤坂小梅らによってレコード化された。小梅は、隊長さん節に新豪傑節を接続して唄った音源も残しており、「豪傑節」のタイトルで発売している。 「隊長さん節」 ハー西郷隆盛ゃ 話せる男 国のコラショイ 国のためなら死ねと云うた (囃子)今度の戦争にゃどうでも行こたい 行かなきゃおいらの身が立たぬ アラショカショカネ どうしょか隊長さん ハー天下取るまで 大事な体 蚤にコラショイ 蚤に食わしてなるものか (囃子)間ただ一発だね どうしょか隊長さん ショカショカドンドン 「田原坂」は植木町にある熊本市立五霊中学校の卒業式で歌われることが伝統となっている。
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