漫才のスタイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 13:58 UTC 版)
前田勇は自著において、漫才を、以下の4類10種に分類した。漫才師の芸およびネタは、これら10種の要素を、どれかひとつ特化させているか、または組み合わせている。 音曲漫才俗曲漫才俗曲(民謡、俗謡)の類を主とするもの。三人奴などが該当する。 語りもの漫才浄瑠璃、浪曲、琵琶語りの類を主とするもの。昭和中期における浪曲漫才の諸グループ(玉川カルテット、宮川左近ショーなど)が該当する。 歌謡漫才流行歌・歌謡曲の類を主とするもの。かしまし娘、暁伸・ミスハワイ、タイヘイトリオ、フラワーショウなどや、音楽ショウと総称された諸グループ(あきれたぼういず、小島宏之とダイナブラザーズ、あひる艦隊、横山ホットブラザーズなど)が該当する。 曲弾き漫才楽器の曲芸的演奏を主とするもの。市川福治・かな江、桜津多子・桜山梅夫、都上英二・東喜美江などが該当する。 踊り漫才本格的舞踊を滑稽にくずして見せるもの。砂川捨丸・中村春代の捨丸による「舞い込み」や、松葉家奴・喜久奴の奴による「魚釣り」などが該当する。 しぐさ漫才寸劇漫才舞台劇、劇映画などの断片を模写するもの。砂川捨丸・中村春代による『金色夜叉』、チャンバラトリオによる一連のパロディなどが該当する。 身振り漫才身振り、表情を主とするもの。吉田茂・東みつ子の茂による「かぼちゃ」などが該当する。 仮装漫才仮装を見せるもの。コントのように役柄を演じるためではなく、仮装それ自体で笑いを誘うことを旨とする。松葉家奴・喜久奴の奴が和服の裏地に「火の用心」などの言葉を染め抜いておき、タイミングよく観客に示すギャグなどが該当。 しゃべくり漫才掛け合い漫才掛け合いでしゃべるもの。 ぼやき漫才1人がしゃべり続け、相方は相槌を打つだけのもの。本質的には漫談である。都家文雄によって創始され、弟子の人生幸朗・生恵幸子や東文章・こま代に受け継がれた。このほか、西川のりお・上方よしおなどが該当する。
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