死亡者の死亡場所および死因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)
「千日デパート火災」の記事における「死亡者の死亡場所および死因」の解説
死亡者の死亡場所および死因は以下の表のとおりである。区域と場所は「ビル外部(路上)」を除いてすべて7階プレイタウン店内である。 死亡者の死亡場所および死因区域場所死亡者人数死因男性女性計ホール内メイン通路および資材置場前 13 12 25 一酸化炭素中毒(右全員) 客席 1 0 1 同上 客席通路 0 1 1 同上 フロント内 1 3 4 同上 フロント付近 1 0 1 同上 トイレ 4 3 7 同上 資材置場内部(6階連絡通路跡) 7 6 13 同上 出入口付近 2 2 4 同上 ホール窓際ホール窓(東1) 1 2 3 同上 ホール窓(東2) 0 6 6 同上 ホール窓(北東6) 2 1 3 男性1人は胸部腹部圧迫による窒息死、他2人は同上 ステージ裏小部屋バンドマン室 3 0 3 一酸化炭素中毒(右全員) 従業員スペース厨房 2 3 5 同上 ホステス更衣室 0 7 7 同上 宿直室 1 1 2 同上 通路東側 3 7 10 女性1人は胸部腹部圧迫による窒息死、他9人は同上 冷暖房機械室 1 0 1 胸部腹部圧迫による窒息死 ビル外部(路上)ホール窓(東1)直下 1 3 4 7階窓からの飛降りまたは転落による墜落死(右全員) ホール窓(東2)直下 1 1 2 同上 ホール窓(北東5)直下 1 2 3 同上 ホール窓(北東6)直下 3 10 13 同上、または脱出途中の救助袋から落下による墜落死 -合計 48 70 118 一酸化炭素中毒93人、胸部腹部圧迫による窒息死3人、墜落死22人(即死18人、病院搬送後に死亡4人) プレイタウン店内の死亡者の状況 プレイタウン店内の死亡者の状況は、個々人が適度に散らばっていたというよりも特定の数か所に折り重なるように集団で死亡していた。その大半が煙を多量に吸ったことによる一酸化炭素中毒による煙死である。炎や熱で焼けただれた遺体は一体もなかった。遺体の姿勢は様々で、大の字や仰け反り、体を丸めてうつ伏せになり、そして他人の体の下に潜り込んでいるなどであった。また壁にもたれ掛かり、ボックス席に座ったままうつ伏せで死亡しているなどの状態も見られた。死亡者はおもにホール西側に集中していて、ホール出入口(アーチ)と厨房を南北に結ぶメイン通路周辺が最も多く、次に旧6階連絡通路跡の資材置場内部とその周辺が多かった。プレイタウン滞在者らは、避難に関して何も情報がない中でパニック状態に陥り、ホール内を当てもなく右往左往していたところに従業員が旧6階通路部分とF階段出入口(シャッター)を避難口だとして誘導をおこなった。それらの場所に人々が集中した結果、袋小路で行き場を失い、猛煙に巻かれて折り重なるように死亡したものと考えられる。特異な死因「胸部腹部圧迫による窒息死」は、極限のパニック状況の中で発生したと推測できる。多くの避難者が出入口や窓際を目指したためか、ホール中央部の客席にはほとんど死者はおらず、わずか2人だけだった。窓際に避難を求めて窓付近で死亡していた人も多くいた。一か所の窓に何人もが顔を突き出し、外へ身を乗り出すような状態で死亡していたケースも見られた。外気を吸えたためか、それらの遺体は鼻や口の部分は黒く汚れていなかった。その反面、体は酷く煤けていた。ホール内の死者はその大半が鼻や口が黒く汚れていたが、体の煤けは少なく、鼻の穴から黒い鼻水または血が出ていた。表情は一部に歯を剥き出して苦悶の表情を浮かべ、目を見開いたままの遺体もあったが、その大半が総じて穏やかな表情であった。一酸化炭素中毒で死亡した者は、中毒の影響によると思われる赤い斑点が皮膚に浮き出ていた。
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