歴史と展望
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 06:19 UTC 版)
「木材・プラスチック再生複合材」の記事における「歴史と展望」の解説
1970年代に北欧のユージンクールマン社等では、プラスチック成形品に低コストのフィラー(増量材)として木粉を使用、その添加量を増すことで木質資源を有効利用しようとする研究が進められていた。これがWPCの歴史のはじまりである。しかしこの頃の技術では設備損耗が激しく製品化には至らなかった。同時期にこの技術は日本への導入も試みられている。しかしこれも同様の理由で産業化まで至らなかった。産業化に成功したのは、1992年にアメリカのモービルケミカル社(現トレックス社)が開発したWPCによる屋外用のデッキ製品が最初である。日本では1993年に内装用の製品としてWPCが初めて発売された。WPRCについては、1996年に原材料に40%以上のリサイクル材を使用したデッキ材等の屋外用製品群が発売されたのが最初である。その後、2005年には廃木材と容器リサイクル樹脂を原料とした製品の生産が開始された。この原材料へのリサイクル材の含有率と表示については、2006年にJIS規格(JIS A5741 木材・プラスチック再生複合材)が制定されている。リサイクル材に関する規格は世界的に見ても日本独自の特徴と言える。日本ではWPRCは環境をキーワードとする追い風に乗って公共事業等に多く採用され、国内主要メーカーの生産量は2009年の19,505tから2014年時点では28,493tと拡大している 。近年、WPRCの市場ではロープライスの中国製の製品が世界中を席巻しつつある状況であるが、この一方でWPRCのような環境配慮性の向上を掲げた製品や高機能化を掲げた製品など、付加価値の高い製品の市場も形成されつつある。この二極化の様相を呈する市場の流れに加え、企業の統廃合やグローバル化等、WPRCの市場は次のステージへと大きく展開していくことが考えられる。
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