檜枝岐の舞台とは? わかりやすく解説

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檜枝岐の舞台

名称: 檜枝岐の舞台
ふりがな ひのえまたのぶたい
種別 民俗芸能娯楽遊戯用いられるもの
員数 1件
指定年月日 1976.08.23(昭和51.08.23)
所有者
所有者住所
管理団体名:
備考
解説文: 本件は、檜枝岐村居平【いだいら】の鎮守神境内にある農村舞台である。明治26年1893年)に焼失した古い舞台模して明治30年前後再建されたものと推定され地元ではブデエ(舞台)またはメエデン(舞殿)と呼ばれている。
 舞台は、正面から見ると上部破風があり、入母屋造見えるが、前面に廂がある切妻造で、軒端様式はこの地域民家などにみられる兜造となっている。舞台中央部固定式二重があり、その四方に角柱があって、二重の前後唐紙入れることができるようになっている舞台の上手には座の低い「語り場」(太夫座)があり、花道上演時に設けられる客席平土間後方にさらに階段状の座席があり、その後端には桟敷仮設される。我が国農村舞台典型例一つといえるのであることから、舞台及び観客席となる敷地指定する
 なお、毎年5月12日愛宕神社祭礼)、8月18日鎮守神祭礼)、9月第1土曜日には、「千葉之家花駒座」によって農村歌舞伎奉納されており、この農村歌舞伎は、「檜枝岐歌舞伎」として、平成11年1999年)に福島県重要無形民俗文化財指定されている。
重要有形民俗文化財のほかの用語一覧
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桧枝岐の舞台

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/08 06:21 UTC 版)

桧枝岐の舞台
檜枝岐村鎮守神社境内に建つ桧枝岐の舞台
情報
収容人員 約1,200[1]
客席数 平土間および石段状の観客席
用途 農村歌舞伎(檜枝岐歌舞伎)上演
所在地 福島県南会津郡檜枝岐村
位置 北緯37度1分18.95秒 東経139度23分7.02秒 / 北緯37.0219306度 東経139.3852833度 / 37.0219306; 139.3852833座標: 北緯37度1分18.95秒 東経139度23分7.02秒 / 北緯37.0219306度 東経139.3852833度 / 37.0219306; 139.3852833
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桧枝岐の舞台(ひのえまたのぶたい)は、福島県南会津郡檜枝岐村にある農村舞台[1][2]。鎮守神の境内地に建てられており、江戸時代から村人によって演じられてきた農村歌舞伎「檜枝岐歌舞伎」の上演に用いられている[2][3]。1976年に国の重要有形民俗文化財に指定された[2][4]

毎年5月12日、8月18日、9月第1土曜日には、地元の一座「千葉之家花駒座」による歌舞伎が奉納されており、この檜枝岐歌舞伎は1999年に福島県の重要無形民俗文化財に指定された[2][5]

概要

村の鎮守神社(駒形大明神・燧大権現)の境内に位置し、江戸時代に建立されたが、1893年(明治26年)の村の大火で焼失し、現在の建物は1897年(明治30年)ごろに再建された[6][7]

正面から見ると破風があり入母屋造に見えるが、前面に(ひさし)を設けた切妻造で、軒端はこの地方特有の「兜造」と呼ばれる様式である[6][8]。屋根は茅葺きで[8]。舞台中央は固定式の二重舞台[9]で、前後に唐紙がはめ込める[8]

舞台は神に奉納する目的で建てられており、神社と向かい合う拝殿のような形態を持つ[7]。舞台の前には平土間があり、鎮守社を最上段として急傾斜の石段状観客席が設けられ、約1,200名を収容できる[1]

文化財指定

農村舞台の一典型として、隣町の南会津町にある「大桃の舞台」とともに、1976年(昭和51年)8月23日に国の重要有形民俗文化財に指定された[6][10][11]

檜枝岐歌舞伎

檜枝岐歌舞伎公演(2025年9月)

檜枝岐歌舞伎は、江戸時代に都市の歌舞伎文化を地方でも楽しもうとする庶民の熱意から生まれた農民歌舞伎であり、素朴ながら江戸後期の様式をよく残しているとされる[1]。出演者・衣装・大道具のすべてを村人が担い、鎮守神に奉納する形で上演される[12]

舞台では、地元の一座「千葉之家花駒座」によって現在も毎年5月12日(愛宕神社祭礼)、8月18日(鎮守神社祭礼)、9月の第1土曜日の年3回の上演が奉納されている[1]。戦後に一時衰退の兆しもあったが、行政支援と観光事業との連携により現在も約30名の座員で活動を続けている[1]。この歌舞伎は1999年(平成11年)に福島県の重要無形民俗文化財に指定された[6][13]

演目は『絵本太功記』『一之谷嫩軍記』など古典作品に加え、地元創作の『南山義民の碑』など計11本が伝承されている[1]。舞台のある鎮守社の石鳥居脇には「歌舞伎伝承館千葉之家」が設けられ、歌舞伎の資料が展示されている[1][14]

毎年9月第1土曜日の「檜枝岐歌舞伎の夕べ」は観光客向けの公演で、2025年には終演後に温泉や食事を楽しめるようにと、例年の夜間開催を昼間に変更して行われた[15]。また、2004年には国立劇場公演も行われ、舞台装置は檜枝岐の舞台を模して製作された[7]

ギャラリー

アクセス

(※2024年10月の路線再編により、発着駅が会津高原尾瀬口駅から会津田島駅に変更された[16][17]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 檜枝岐歌舞伎”. 日本交通公社. 2025年10月6日閲覧。
  2. ^ a b c d 桧枝岐の舞台”. 文化庁 文化遺産オンライン. 2025年10月6日閲覧。
  3. ^ 檜枝岐歌舞伎”. NPO日本の祭りネットワーク. 2025年10月6日閲覧。
  4. ^ 檜枝岐の舞台”. 福島県. 2025年10月6日閲覧。
  5. ^ 全国の地芝居(地歌舞伎)調査報告書” (PDF). 文化庁. 2025年10月6日閲覧。
  6. ^ a b c d 檜枝岐歌舞伎”. 尾瀬檜枝岐温泉観光協会. 2025年10月6日閲覧。
  7. ^ a b c 文化財ニュース 第4号” (PDF). 福島県教育庁南会津教育事務所. 2025年10月6日閲覧。
  8. ^ a b c 景山正隆 (1995). 企画展 村芝居の世界. 福島県立博物館. pp. 4-5 
  9. ^ 二重舞台:平舞台より一段高く設けられた舞台部分。
  10. ^ 檜枝岐歌舞伎”. 会津物語. 2025年10月6日閲覧。
  11. ^ 檜枝岐の舞台(文化庁データベース)”. 文化庁. 2025年10月6日閲覧。
  12. ^ ふくしまの森林文化調査” (PDF). 福島県. 2025年10月6日閲覧。
  13. ^ a b 檜枝岐の舞台”. 福島県観光復興推進委員会. 2025年10月6日閲覧。
  14. ^ 桧枝岐歌舞伎 歌舞伎の舞台と伝承館”. ぐるっと会津. 2025年10月6日閲覧。
  15. ^ 江戸時代から続く伝統の芝居満喫 福島県檜枝岐村で「檜枝岐歌舞伎の夕べ」”. 福島民報 (2025年9月7日). 2025年10月6日閲覧。
  16. ^ 【重要】路線バス再編についてのお知らせ”. 南会津町 (2024年9月10日). 2025年10月8日閲覧。
  17. ^ 福島県地域公共交通計画の変更について” (PDF). 福島県. 2025年10月8日閲覧。

参考文献

外部リンク



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