模作期
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龍右衛門作と伝えられる「雪の小面」を江戸時代初期に写したもの。井関家四代の河内家重作を示す河内印がある。「雪の小面」と同じクスノキを用い、面裏の様子も全て写している。 江戸時代には、能は幕府の式楽として保護され、諸大名も、競って古面や名品を蒐集したり、本面を面打ちに写させたりした。新たな創作はあまり行われなくなり、模作中心となった。本面の写し方は徹底しており、彩色の刷毛目や、鑿跡、面に付いた傷、彩色の剥落まで写しているものもある。 1532年(天文元年)に亡くなったと伝えられる三光坊満広の流れを汲む越前出目(でめ)家、近江井関家、大野出目家の三家が桃山時代に成立し、これらが江戸時代まで続く世襲面打ち家となった。後に、越前出目家から児玉家と弟子出目家が派生した。 越前出目家・江戸出目家[越前出目家初代]二郎左衛門満照(みつてる) - [2代]則満(のりみつ) - [3代]古源助秀満(ひでみつ) - [江戸出目家初代]古源休満永(みつなが) - [2代]元休満茂(みつしげ) - [3代]元休満総(みつふさ) - [4代]元休満真 - [5代]満志(みつゆき) - [6代]元休満光(みつてる) - [7代]源助満守(みつもり) 近江井関家[初代]井関上総守親信(ちかのぶ) - 大光坊幸賢(だいこうぼうこうけん) [2代]次郎左衛門親政(ちかまさ) [3代]備中守家久(いえひさ) - [4代、江戸井関家]河内大掾源家重(いえしげ) - [弟子]大宮大和真盛(さねもり) 大野出目家[初代]是閑吉満(ぜかんよしみつ) - [2代]友閑満庸(ゆうかんみつやす) - [3代]助左衛門 - [4代]洞白満喬(とうはくみつたか) - [5代]洞水満矩(とうすいみつのり) - [6代]甫閑満猶(ほかんみつなお) - [7代]友永庸久(ゆうすいやすひさ) - [8代]長雲庸吉(ちょううんやすよし) - [9代]洞雲庸隆(とううんやすたか) - [10代]助左衛門 - [11代]助太郎 - [12代]杢之進 - [13代]丘作 児玉家[江戸出目家初代満永の養子]近江満昌(みつまさ) - [2代]長右衛門朋満(ともみつ) - [3代]長右衛門能満(よしみつ) 弟子出目家[江戸出目家初代満永の婿]古元利栄満(こげんりよしみつ) - [2代]元利寿満(かずみつ) - [3代]元利右満(すけみつ) 江戸時代後期に喜多流九世宗家・喜多七太夫古能が著した『仮面譜』では、古来からの作品から新しいものまでを格付けして、十作、六作、古作、中作、中作以降といううように整理している。
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