構成している天体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 03:55 UTC 版)
詳細は「惑星」を参照 いくつかの研究では、1個の恒星につき、少なくとも平均で1個は惑星が存在している事が示唆されている。これは、太陽系のように、ほとんどの恒星が惑星を持っている事を意味している。しかし、全ての惑星が発見されている訳ではないので、実際の恒星が惑星を持つ割合は不明である。公転周期の短い太陽系外惑星の発見方法として、ドップラー分光法とトランジット法があり、現在発見されている太陽系外惑星のほとんどは、この2つの手法で発見されている。したがって、最も存在が確認されているのは、先述のホット・ジュピターになる。2005年に行われた調査によると、太陽のような恒星は、1.2%の割合でホット・ジュピターを持つとされ、逆にそれよりも小さなK型主系列星や赤色矮星のほとんどは、ホット・ジュピターのような短周期で公転している惑星を持っていないとされている。この1.2%という数値は、ケプラー宇宙望遠鏡によって発見されたホット・ジュピターを持つ恒星の割合の2倍以上で、ケプラーの観測視野は、恒星の金属量が異なる、天の川の異なる領域をカバーしている可能性がある。さらに、太陽に似た恒星の3%~4.5%は、公転周期が100日以内の大型の惑星を持っていると推定されている。ここでいう「大型の惑星」は質量が地球質量の30倍以上のものを指している。 地球のような小さな惑星は、大型の惑星よりも一般的である事が知られている。また、主星から遠い軌道を公転する惑星は、主星に近い軌道を公転する惑星よりも多数存在していると考えられている。これに基づくと、太陽のような恒星の少なくとも20%は、大型の惑星を1個持っているとされているが、少なくとも40%は、質量が小さい惑星を持つ可能性がある。2012年に行われた研究で、2002年から2007年までに収集された重力マイクロレンズの観測データより、惑星が恒星よりも存在している比率がはるかに高く、銀河系の恒星1個につき、恒星から0.5~10au離れた位置に平均で惑星を1.6個持つ事が推定された。 惑星と恒星の比率がいずれにせよ、太陽系外惑星の数は非常に多数でなければならない。銀河系には、少なくとも2000億個もの恒星があるが、それを考えると銀河系には、数百億~数千億個もの惑星が存在する事になる。 惑星系の主星として、最も多いのは、太陽に似た恒星である場合である。すなわち、スペクトル分類において、F、G、Kが相当する。その理由として、1つは探査対象によく選ばれる傾向があるからである。さらに、統計学的解析では、さらに小さな赤色矮星などでは、ドップラー分光法によって検出されるほどの大きな惑星が存在する可能性は低いとされている。それにも関わらず、ケプラー宇宙望遠鏡によるトランジット法で発見された数十個の惑星は、赤色矮星の恒星で発見されている。 スペクトル型がB、Aは、典型的に自転速度が速いため、スペクトルの吸収線が広く、ドップラー分光法による惑星の検出は非常に難しい。しかし、このような恒星は、最終的に低温の赤色巨星になり、この時のドップラー分光法での検出は可能である。実際に、赤色巨星の周りを公転している惑星がいくつか発見されている。 スピッツァー宇宙望遠鏡による観測では、太陽よりもはるかに大きなO型主系列星は、惑星の形成を妨げる光蒸発を生じさせる事が示されている。O型主系列星が超新星爆発を起こすと、たとえ惑星が存在していたとしても、パルサーの時と同様に、蒸発・粉砕されるか、自由浮遊惑星になるとされている。
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