楽器メーカーの製品ラインナップの中での音源モジュールの位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 05:42 UTC 版)
「音源モジュール」の記事における「楽器メーカーの製品ラインナップの中での音源モジュールの位置付け」の解説
楽器メーカーでは、同一音源部を持った鍵盤一体型シンセサイザーと音源モジュールを同時開発し、系列商品として併売することが多い。この場合、音源モジュールは鍵盤を持たない分廉価に売価設定されるが、発音性能は鍵盤一体型に遜色ない(製品によっては超える)仕様であることが多い。 プロユースのシンセサイザーモジュールでは、演奏を主眼として高品位鍵盤と組み合わせた一体型が併売される。但し、ウィンドシンセサイザーやギターシンセサイザーからの演奏を視野に入れて開発されたシンセサイザーモジュールは、キーボード一体型モデルがラインナップされないケースがある(ヤマハ社VL70-mやFS1Rなど)。 また、音源モジュールは鍵盤を持たない分、自由度と拡張性に優れる特徴を持たせる設計が一般的だが(例1:ローランド社のキーボード一体型のXP-80より、音源モジュールJV-2080の方が別売拡張ボードを搭載できる数が多い)、音源モジュールは前述ラックサイズの制約を受けるため、鍵盤幅に規定された結果逆に内部空間に余裕のある鍵盤一体型のほうが拡張性に優れる場合もある(例2:KORG社のシンセサイザーTRINITYに対し、その音源モジュール版とされるTR-RACKは物理モデル音源部の増設やRAMの増設が行えない)。 ローランド社SCシリーズやヤマハ社MUシリーズといったDTM用の音源モジュールはコンピュータとの演奏を主とするため、鍵盤一体型が設定される場合も入力補助用に中級以下の鍵盤機構で価格を抑え、キーボードタイプが存在しないモデルも多い。 音源モジュール・キーボードに更にシーケンサとスピーカも複合したミュージックワークステーションと呼ばれる全てを一台でこなすシステムや、電子ピアノなど特定分野の音色の高品位化に注力した楽器では、そのトータルバランスがその製品の重要な位置を占め、既に存在するユニットを組み合わせて一つの筐体に収めただけでは商品として成立せず、一貫思想で全てを再設計することが多い。そのため、逆に各々の機能を分割して商品化することもまた行われないのが通例である(例3:TRITONシリーズのSTUDIO、Extreme、Leにはモジュール版が存在せず、またヤマハのWシリーズやSシリーズ、EOSシリーズなども音源モジュールはない)。
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