極早生温州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 00:27 UTC 版)
9月から10月ごろに掛けて収穫される。1970年代に発生したオイルショックを受けて、ハウス栽培における石油消費量を減らす目的で研究が進められるようになった。近年は生産過剰気味である。 宮本早生 宮川早生の枝変わりとして1967年に和歌山県下津町(現海南市)の宮本喜次によって発見され、1981年に品種登録された。果実は扁平で、収量性に優れる。宮川早生よりも2-3週間程早く成熟する。かつては極早生温州の中心品種であったが、後の品種改良で誕生した極早生品種に比べ糖度が低く食味が劣るため近年では栽培は激減している。 日南1号 興津早生の枝変わりとして1978年に宮崎県日南市の野田明夫によって発見され、1989年に品種登録された。比較的樹勢が強く、瓤嚢膜(じょうのう)膜が軟らかい。栽培容易で糖度、酸度ともに安定しているため栽培が広がり、現在では極早生温州の中心品種となっている。 日南の姫(日南N1、ニュー日南) 日南1号の枝変わりとして2008年3月18日に品種登録された。日南1号と比べ減酸や着色が早いため、8月下旬から収穫可能な超極早生品種として栽培が広がりつつある。日南の姫(ヒナノヒメ)は都城大同青果株式会社の登録商標である。 岩崎早生 興津早生の枝変わりとして1968年に長崎県西彼杵郡西海町(現・西海市)の岩崎伝一によって発見された。極早生の中でも最も早く出荷される品種のひとつである。 崎久保早生 松山早生の枝変わりとして1965年に三重県南牟婁郡御浜町の崎久保春男によって発見された。三重県の主力品種。 上野早生 宮川早生の枝変わりとして1970年に佐賀県東松浦郡浜玉町(現・唐津市)の上野壽彦によって発見され、1985年に品種登録された。減酸が緩やかなため、他の極早生品種に比べて収穫時期が遅れるが、その分食味は長く保たれる。また浮皮の発生が少ないのも特徴である。 ゆら早生 宮川早生の枝変わりとして1985年に和歌山県日高郡由良町の山口寛二によって発見され、1995年に品種登録された。他の極早生品種に比べ糖度が高く、瓤嚢膜膜が極めて薄く、多果汁であるため食味が良い。樹勢が弱く、さらに小玉果が多いため栽培が難しい。 YN26(紀のゆらら) 2001年に和歌山県果樹試験場によりゆら早生の珠心胚実生から育成され、2012年に品種登録された。ゆら早生よりも糖度が高く、減酸や着色も早く、樹勢も強い。ゆら早生同様にじょうのう膜が薄く多果汁であるため食味が良い。小玉果が多いという欠点はゆら早生から引き継いでいる。栽培および苗木の供給は和歌山県内に限られている。紀のゆららは和歌山県農業協同組合連合会の登録商標。
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