栃木県根古谷台遺跡土壙出土品
主名称: | 栃木県根古谷台遺跡土壙出土品 |
指定番号: | 459 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1990.06.29(平成2.06.29) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 縄文 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 根古谷台遺跡は宇都宮市の西郊、鬼怒川の支流である姿川と武子川に挾まれた細長い台地の先端部に位置する。昭和六十一年、公園墓地造成に先立つ発掘調査が行われ、縄文時代前期の長方形大型建物跡一五棟、方形建物跡一〇棟を含む集落跡が検出された。この集落跡は、東西約三〇〇メートル、南北約一五〇メートルの広がりをもち、その中央部には、墓壙と目される三三九基の土壙【どこう】が群在して築かれていた。本件はこのうち七基の土壙から出土した石製耳飾四箇、石製丸玉二箇、石製小玉五箇、石製管玉一三箇の装身具類と、石匙五箇、石鏃三本で構成される。 これらは、いずれも土壙覆土【ふくど】内から出土し、その状態は、石製〓状耳飾【けつじようみみかざり】が二箇ずつ対になって(一〇〇・一一七号土壙)、また石製丸玉・小玉が石製管玉と共に数箇ずつ組み合って(一〇一・一一四号土壙)それぞれ二基の土壙から出土するなど、装身具を着装したままの遺体埋葬の実態を示している。また石器類も単独(一〇三・一〇四・一〇六号土壙)、あるいは数箇が組み合って(一一〇号土壙)各土壙から出土しており、そこには副葬品的な性格が想定できる。 遺品の中心をなす石製〓状耳飾、石製丸玉などの玉類は、その素材に精選された石材を用い、それに擦切技法による精巧な成形・研磨を施すが、管玉のうちにはこれをさらに截断して小玉に加工する意図で溝を切ったもの二点を含むなど、石製装身具の製作技法の一端を良く窺うことができる。また管玉の形状は全体が滑らかな曲線状に整形され、身の中央部分が若干括【くび】れるものも多く、淡黄白色の色調とともに骨製装身具を模倣した可能性も考えられる。 墓壙からの出土品が稀な縄文時代にあって、本遺品の一括は当時の装身及び副葬品納置の実態を復元するうえに重要であるとともに、縄文時代前期の攻玉【こうぎよく】技術の一端を良く示すものである。なお、遺跡は昭和六十三年、史跡に指定されている。 |
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