栃尾_(長岡市)とは? わかりやすく解説

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栃尾 (長岡市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/12 16:13 UTC 版)

栃尾地域
とちお
日本
地方 中部地方北陸地方
甲信越地方
都道府県 新潟県
自治体 長岡市
旧自治体 栃尾市
面積
204.92km²
世帯数
6,781世帯
総人口
16,067
登録人口、2022年7月1日現在)
人口密度
78.41人/km²
隣接地区 市内:
長岡地域、山古志地域
市外:
見附市三条市魚沼市
長岡市役所栃尾支所
北緯37度28分44秒 東経138度59分35秒 / 北緯37.47889度 東経138.99306度 / 37.47889; 138.99306座標: 北緯37度28分44秒 東経138度59分35秒 / 北緯37.47889度 東経138.99306度 / 37.47889; 138.99306
所在地 〒940-0298
新潟県長岡市中央公園1番36号
リンク 栃尾支所公式ページ
特記事項:2006年長岡市へ編入
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栃尾(とちお)は、新潟県長岡市北東に存在する地域である。2006年長岡市に編入されたかつての栃尾市に相当する。豊富な湧水や「栃尾のあぶらげ」(油揚げ)、上杉謙信ゆかりの地として知られている。

概要

谷内通り
上杉謙信公銅像(秋葉公園)

刈谷田川と西谷川の合流点付近を中心に広がる。「謙信公旗揚げの地」と謳われるように[1] [注釈 1]上杉謙信が青年期を過ごしたとされる栃尾城城下町として発展した[2]中心街は雁木のまち並みが多く残り[3]、表町地区では1990年代末から新潟大学工学部建設学科と共同で雁木を活かしたまちづくりプロジェクトが行われている[2][4]

「栃尾表町雁木の駅」付近
左手に栃尾城への登山口(岩の鼻口)

地理

新潟県のほぼ中央に位置する。

沿革

  • 2006年平成18年)1月1日 - 長岡市に編入。
  • 2008年(平成20年)
  • 2011年(平成23年)7月 - 新潟・福島豪雨。塩谷川流域で家屋浸水、各所で崖崩れが発生[7]
  • 2012年(平成24年)
    • 4月30日 - 越後とちお温泉「おいらこの湯」が開業[8]
    • 7月8日 - 栃尾産業交流センター「おりなす」内に子育ての駅とちお「すくすく」開設[9]
  • 2014年(平成26年)3月22日 - 秋葉門前商工プラザ「とちパル」開業[10]。「まちの駅」として飲食・休憩スペース、情報発信スペースなどを提供する。
  • 2016年(平成28年)
    • 6月13日 - 鈴倉インダストリー、破産手続開始[11][注釈 2]
    • 7月29日 - 長岡中央綜合病院付属栃尾郷クリニック竣工[12]
    • 9月 - イルミネーションイベント『トチオノアカリ』初開催[12]
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)11月22日 - 栃尾山古志線の全面通行止が解除される[13]
  • 2019年令和元年)
    • 9月30日 - 越後交通バス、地域内を走る一部路線を廃止。
    • 10月1日 - バス路線廃止に伴い、乗合タクシー(予約制)による代替輸送開始[14]
  • 2020年(令和2年)12月21日 - 栄町にドクターヘリ離発着可能な防災ヘリポート開設[15]
  • 2022年(令和4年)5月1日 - トチオーレ開館[注釈 3][16]
  • 2024年(令和6年)9月24日 - 栃尾支所が移転[17]

人口

  • 平成22年国勢調査 人口 21004 世帯数 6847 男10184 女10820[18]
  • 平成27年国勢調査 人口 18761 世帯数 6461 男 9181 女9580[19]
  • 令和2年国勢調査 人口 16440 世帯数 6074 男 8065 女8375[20]

人口推移を示す(各年12月1日時点、ただし2008年、2019年[21]、2020年[22]はいずれも翌年の1月1日時点)。参考として1950年国勢調査結果を載せる。

1950年(昭和25年) 39,029人
2008年(平成20年) 22,513人
2009年(平成21年) 22,111人
2010年(平成22年) 21,657人
2011年(平成23年) 21,269人
2012年(平成24年) 20,888人
2013年(平成25年) 20,357人
2014年(平成26年) 19,879人
2015年(平成27年) 19,366人
2016年(平成28年) 18,921人
2017年(平成29年) 18,448人
2018年(平成30年) 17,912人
2019年(令和1年) 17,387人
2020年(令和2年) 16,893人
出典 - 栃尾支所からのおしらせ・各年1月号ほか

国勢調査の結果で見ると、栃尾市・栃尾地域の人口は1950年の39029人をピークにほぼ一定のペースで減少を続けており、 2015年には対ピーク比50%を割り込んだ。更に、2015年国勢調査における栃尾地域の高齢化率38.3%は長岡全市平均28.9%・県下平均29.9%に対し高い数値を示す[注釈 4]

行政

旧・栃尾市役所がそのまま栃尾支所に転用されていたが、庁舎老朽化のため旧栃尾文化センターを改修したのち、2024年9月移転[17]、市民サービス窓口を開設している。

文教施設

2012年(平成24年)、栃尾産業交流センター「おりなす」内に子育ての駅とちお「すくすく」が開所した。

名産品

服飾製品

かつての特産品であった栃尾紬は現在一社のみが生産している[23]

食品

油揚げ

栃尾の油揚げ(道の駅R290とちお「揚げ処さとう」)

栃尾揚げとも呼ばれる巨大な油揚げはテレビ番組を筆頭に、各メディアで頻繁に取り上げられ、知名度の点で当地域を代表する産品である。流通網拡大により都内大手スーパーでも容易に入手可能で、飲食店とりわけ居酒屋の一品として採用例も多い。

日本酒

2019年現在、造り酒屋が2軒存在する。


冷やしラーメン

通称「冷や丼」(冷やしラーメン)は他地域ほどの知名度はないが、盆地であるが故に夏季は高温多湿となる栃尾においてもまた古くから提供されてきたご当地グルメである。

丸鯛

巻鯛とも呼ばれる。越後地方では鯛をあしらった円形の菓子が各地に伝わるが、栃尾の丸鯛は大ぶりな落雁で、着色されているのが特徴。引出物として明治時代より珍重された[24][25]

赤飯

長岡市周辺では醤油とみりんをベースに味付けしたおこわ赤飯と称し、当地域も例外ではない。醤油赤飯(表記ゆれ在り)と呼ぶ場合もある。その色合いは茶色に近く、小豆の代わりに金時豆を使うことも特徴的である[26]

その他

栃尾てまり

山間部の農家は養蚕や機織りが盛んで、各家庭では野山で手に入る素材や糸くずを加工した手まりが玩具として作られていたという。 栃尾市指定無形文化財であった名児耶チハルの技能を継承すべく結成された[27]「栃尾てまりの会」により装飾品の手毬が手作りされている。

教育

栃尾地域の教育施設一覧
小学校
  • 上塩小学校 (2023年栃尾東小学校に統合)
  • 下塩小学校
  • 栃尾東小学校
  • 栃尾南小学校
  • 中野俣小学校 (2018年栃尾南小学校に統合)
  • 荷頃小学校 (2006年4月1日栃尾南小学校に統合)
  • 西谷小学校 (2015年栃尾南小学校に統合)
  • 東谷小学校

合併以前の廃校については新潟県小学校の廃校一覧を参照。

中学校
  • 秋葉中学校
  • 刈谷田中学校

合併以前の廃校については新潟県中学校の廃校一覧を参照。

高等学校

商業

近代的な雁木通りとなった谷内通り。周辺の表町や大町、滝の下町などには昔ながらの木造の雁木も多く残されている。

地域内に大型ショッピングモールは存在せず、中心街の雁木通りは昔ながらの商店が並ぶが閉店も目立つ。町内にはスーパーマーケット原信栃尾店、規模は大きくないが複合商業施設「トッピィ」、DIYチェーンコメリ、他にコンビニエンスストア(2019年現在セブンイレブンが2店、24時間営業ではないが他にヤマザキショップ[注釈 5]。)とドラッグストアが数店出店する。

金融機関

交通

栃尾地域および周辺のバス路線図。

バス

長岡方面とを結ぶ路線や、地域内の路線を運行している。

道路

市内を走る国道・県道を挙げる。

一般国道
道の駅
道の駅R290とちお

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

秋葉神社
ほだれ祭
祭事・催事
  • 栃堀巣守神社 - 裸押合大祭 - 2月
  • ほだれ大神 - ほだれ祭 - 男性器を象った御神体に跨る - 3月
  • 諏訪神社 -春季大祭・大名行列 - 4月
  • 常安寺 栃尾てまりまつり - 5月
  • うま市 - 7月
  • 石積み - 8月 盆の入り
  • とちお祭 - 全日本樽みこし綱引き選手権大会、花火大会など - 8月
  • トチオノアカリ - 9月
  • 守門マラソン - 10月
  • 栃尾地域農業まつり - 10月
  • 来伝天神 - 合格祈願祭 - 11月

娯楽

  • とちおファミリースキー場・とちおふるさと交流広場
  • 道院自然ふれあいの森 - キャンプ場、グレステンスキー場(夏スキー)、宿泊施設、遊歩道などがある
  • 栃尾フィッシングパーク
  • 守門岳登山

温泉

一般客が日帰り入浴可能な施設について掲載する。

  • おいらこの湯[29]
  • 皆楽荘[30] - 高齢者向け公営施設ではあるが一般利用の制限はない。

出身有名人

本項においては活動時期が合併後と重なる人物のみ掲載する。

栃尾地域を舞台とした作品

テレビ番組

映画

主舞台ではないが、栃尾でロケ撮影が行われた作品の例を記す。

脚注

注釈

  1. ^ 栃尾城の戦いにて謙信が初陣を飾ったと言い伝えられることに因む
  2. ^ 創業1906年の同社は一世紀に渡り栃尾の繊維産業における重要企業のひとつに数えられた。
  3. ^ 併せて隣接する中央公園の再整備が実施されたが、開館日には間に合っていない。
  4. ^ 長岡市で最も高齢化率が高いのは48.7%の山古志地域で、次に42.1%の小国地域。栃尾地域はこれに続く。
  5. ^ 厳密にはコンビニではない。ヤマザキショップの項を参照。
  6. ^ 2021年に第四銀行北越銀行統合により元北越銀行栃尾支店が栃尾中央支店に改称、2022年11月栃尾支店内に栃尾中央支店が移転
  7. ^ ただし半蔵金付近が未開通のため実際は栃尾地域を通らない

出典

  1. ^ 栃尾城跡(謙信公旗揚げの地)”. 長岡市. 2020年9月5日閲覧。
  2. ^ a b 雁木と栃尾の町並み”. 栃尾観光協会 (2006年). 2021年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月13日閲覧。
  3. ^ 菅原邦生、「近世・近代の栃尾(長岡市)における雁木通りの形成過程と雁木の形態」『日本雪工学会誌』 2013年 30巻 4号 p.279-290, doi:10.4106/jsse.30.279, 日本雪工学会
  4. ^ 雁木づくり - 長岡市.2019年3月3日閲覧。
  5. ^ 長岡市政だより『ながおか』No.649 2008年10月号”. 長岡市. p. 3 (2008年). 2019年7月12日閲覧。
  6. ^ とちおイメージキャラクター決定!”. 栃尾商工会 (2008年). 2019年7月13日閲覧。
  7. ^ 平成23年7月新潟・福島豪雨の記録”. 新潟県 (2012年). 2021年1月13日閲覧。
  8. ^ とちお支所からのおしらせ” (pdf). 栃尾支所地域振興課 (2012年4月1日). 2019年7月14日閲覧。
  9. ^ 長岡市政だより『ながおか』No.695 2008年8月号”. 長岡市 (2012年). 2019年7月12日閲覧。
  10. ^ 栃尾秋葉門前プラザ「とちパル」がオープンします。”. 栃尾商工会 (2014年). 2019年7月13日閲覧。
  11. ^ 新潟・長岡の織物製造「鈴倉インダストリー」に破産決定”. 不景気.com (2016年6月23日). 2019年7月13日閲覧。
  12. ^ a b 『とちお』支所からのおしらせ 2016年9月号”. 栃尾支所地域振興課 (2016年). 2019年7月12日閲覧。
  13. ^ 【長岡】主要地方道栃尾山古志線長岡市半蔵金地内の全面通行止めを解除します”. 新潟県 (2018年11月14日). 2019年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月13日閲覧。
  14. ^ とちお支所からのおしらせ 10月号”. 長岡市栃尾支所 (2019年10月1日). 2020年9月5日閲覧。
  15. ^ とちお支所からのおしらせ 1月号”. 長岡市栃尾支所 (2020年12月25日). 2022年7月20日閲覧。
  16. ^ 市政だより令和4年6月号”. 長岡市栃尾支所 (2022年6月1日). 2022年7月20日閲覧。
  17. ^ a b とちお支所からのおしらせ”. 栃尾支所地域振興課 (2024年7月25日). 2024年10月28日閲覧。
  18. ^ 都道府県・市区町村別統計表(国勢調査)”. 総務省 (2011年). 2019年7月13日閲覧。
  19. ^ 都道府県・市区町村別統計表(国勢調査)”. 総務省 (2017年). 2019年7月13日閲覧。
  20. ^ 都道府県・市区町村別統計表(国勢調査)”. 長岡市 (2021年12月6日). 2022年7月20日閲覧。
  21. ^ とちお支所からのお知らせ 2月号”. 栃尾支所地域振興課 (2020年2月1日). 2022年3月19日閲覧。
  22. ^ とちお支所からのお知らせ 2月号”. 栃尾支所地域振興課 (2021年2月1日). 2022年7月20日閲覧。
  23. ^ 栃尾紬(テックナガオカ)”. 長岡市商工部工業振興課 (2011年). 2019年7月13日閲覧。
  24. ^ 丸鯛・巻鯛”. 長岡市栃尾支所商工観光課 (2017年4月1日). 2019年7月13日閲覧。
  25. ^ “カムバックほっこり”. ふうど (株式会社タカヨシ) 50. (2020). https://www.takayoshi.co.jp/dcms_media/other/fudo50.pdf. 
  26. ^ 赤飯なのに赤くない!? 長岡名物「しょうゆ赤飯」の謎”. 長岡市地方創生推進部. 2022年3月24日閲覧。
  27. ^ 栃尾てまりまつりにあわせた「とちおてまり展」で栃尾てまり約300点展示”. ケンオー・ドットコム (2018年5月3日). 2019年7月13日閲覧。
  28. ^ 南部神社 百八灯”. 栃尾観光協会. 2021年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月5日閲覧。
  29. ^ 高齢者センターとちお「越後とちお温泉 おいらこの湯」”. 長岡市栃尾支所市民生活課 (2019年5月31日). 2019年7月13日閲覧。
  30. ^ 老人福祉センター「皆楽荘」”. 長岡市福祉総務課 (2017年4月1日). 2019年7月13日閲覧。
  31. ^ 映画『20世紀少年 第3章』のロケが行われました”. 長岡ロケなび (2009年3月2日). 2020年5月29日閲覧。
  32. ^ 映画「小さいおうち」展示イベント at T・ジョイ長岡”. 長岡ロケなび (2014年1月18日). 2020年5月29日閲覧。
  33. ^ 安田顕主演。9月14日(金)全国公開『愛しのアイリーン』。長岡市各所で撮影が行なわれました”. 日刊にいがた (2018年9月14日). 2020年5月29日閲覧。

参考文献

  • 長岡市政だより『ながおか』各号
  • 『とちお』支所だより 各号

関連項目

外部リンク

行政
観光

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