東大の調査結果発表およびそれに対する反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:28 UTC 版)
「Ordinary researchers」の記事における「東大の調査結果発表およびそれに対する反応」の解説
2017年8月1日に、東京大学は、分子細胞生物学研究所教授が主催する研究室の計5報の論文について不正行為を認定し、医学系教授が主催する5研究室の論文については全て不正行為を認定しなかったことを発表した。117ページの調査報告書は、大部分が黒塗りの状態で後日公開されている。アディポネクチンの受容体AdipoR1とAdipoR2をFACSを用いた発現クローニングで同定したとされるNature論文については、13年前に訂正公告を出したことを理由にし、調査をしていなかった。不正を行った当事者としては分子細胞生物学研究所の教授と助教の二名の実名が提示され、その実名は一般に報道された。記者会見においては、全て不正なしとした医学系の調査に対して、『まちがってデータが重複したというのならば、まだわかる。しかし、足して2で割るのはわざわざしないとできないのではないか』などの指摘がメディアからなされた。医学系の調査において提出された生データが最近になって改ざんされた可能性については、東京大学は、『実験ノートの古さなどから』判断したと回答した。分子細胞生物学研究所の教授は2018年2月28日に退職した。東京大学は2018年4月27日に分子細胞生物学研究所の教授を懲戒解雇相当に当たると発表した。退職済のため人事的な効力はなく、退職金の支給額に影響を与えただけだが、東京大学は厳正な対応をしたとしている。 東京大学の発表を受け、Ordinary_researchersはNHKとScience誌の取材に回答した。東大の分子細胞生物学研究所に対する調査については賞賛した。医学系に対する調査については『どのような検証が行われたのかが具体的にはほとんど公表されておらず、科学コミュニティの第三者が疑義について検証することができない』と指摘した。 近畿大学の病理医である榎木英介講師は、ディオバン事件において東大の調査委員会に留意と不断の改善努力を言い渡されながらも本件で再び不正なしと認定された東大医学部循環器内科の教授について、もう次はないことを自覚するよう促した。 日経新聞は、東大医学部の5教授が不正なしとされたことについて、調査報告は評判が悪く、東大は有力者に忖度して不正調査を行ったのではないかと主張する記事を配信した。 2017年12月10日に、日本放送協会の稲垣雄也らがOrdinary_researchersの告発を受けて作成したテレビ番組『追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学立国ニッポン~』がNHKスペシャルとして放送された。
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