本の標題紙とは? わかりやすく解説

本の標題紙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/29 21:01 UTC 版)

標題紙」の記事における「本の標題紙」の解説

標題紙という語は英語の “title page” の訳語であり、あるいはそのままタイトルページともいう。“title page” も「標題紙」も、標題記された「ページ」のみを指す場合と、その裏ページ (verso of title page) を含む「紙葉」を指す場合とがある。明示的に後者を表す英語としてtitle leaf” がある。 標題紙洋書構成する要素のひとつである。本節では、特に断らない限り洋書標題紙について述べる。現代では扉(とびら)と同一視されるが、本来は別ののである。扉は和装本において見返し次にあるページで、標題書かれる点では標題紙同じだが、古書では扉がないのが普通であった写本インキュナブラ初期活字本)では、内容的に物理的に標題紙相当するものがなかった。15世紀に、本文保護するための白紙先頭置かれるようになり、それが次第標題紙へと変化した。それが1475年から1480年ごろのことで、15世紀末には(現在とは少し異なるものの)一般的なものになった本編保護する目的標題紙生まれたように、16世紀後半以降標題紙前にさらに折記号のみの白紙追加されるようになり、それが17世紀後半簡潔な標題 (half title) を記した標題紙 (half title page) となった標題紙(の表面)の内容 標題タイトル) - 標題紙記される標題タイトル)は、標題紙標題標題紙タイトル)といい、正式で、完全な形の(長いタイトルである。サブタイトル別言語のタイトルなどもあれば併記される。 責任表示 - 著者編者改訂者、翻訳者監修者挿図画家序文著者などが記される。 版表示 - 初版では省略される場合が多いが、改訂版などでは版が記される。(刷は裏面出版事項 - 出版地、出版者、(その版の)出版年記される出版地、出版年以外は、現代の(洋装本の)和書でも記されていることが多い。 標題紙の裏面の内容 出版者所在地国名 印刷原書書誌情報 著作権表示著作権者、登録年) 過去の版、重刷記録 プリンターズ・キー - 刷次と印刷年を表す数列のこと。 ISBN国際標準図書番号CIP (Cataloging in Publication) - 発行前に全国書誌作成機関情報提供し返され基本的な書誌情報記載する。 プリンターズ・キーとCIP以外は、和書でも奥付記される。ただし翻訳書では、原書書誌情報著作権情報標題紙の裏記載することが多い。 標題紙1ページ1枚)とは限らない見開きの2ページ使って標題出版事項標題紙1ページ分の内容)を印刷しているものもある。複数言語書かれた本では、それぞれの言語標題紙用意しているものもあり、叢書などでは「叢書標題紙」と「その巻の標題紙」をもつものがある。それらや、略標題紙のことを副標題紙ともいう。復刻版では、原書復刻版それぞれの標題紙がある。 標題紙は、しばしば木版画銅版画などの装飾施される16世紀後半からは標題部分赤字印刷することが流行し17世紀に入ると建築様式をまねた装飾盛んになったが、これは1630-1640年頃には落ち着いた標題紙には本文と同じ紙(共紙)を使用するのが普通だが、日本では厚手の上質紙が使用される。これを、本文標題紙との物理的な結びつき弱くなる中身の質をごまかす「こけおどし」「悪習慣」として批判する意見もある。

※この「本の標題紙」の解説は、「標題紙」の解説の一部です。
「本の標題紙」を含む「標題紙」の記事については、「標題紙」の概要を参照ください。

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