木材原料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 23:40 UTC 版)
1950年代から欧米や日本の木材需要が増え、各国の森林が伐採されて輸出された。マレーシアではサラワク州を中心に伐採が進み、1970年代には日本向けの木材輸出が70%を占めた。サラワク州の森林の急速な減少をみた国連食糧農業委機関(FAO)はサラワク州に対策を勧告し、1988年にはヨーロッパ共同体(EC)がサラワク州からの輸入を中止した。国際熱帯木材機関(ITTO)もサラワク州に伐採の削減を勧告したが、日本は輸入を続けサラワク州からの輸出は続いた。マレーシアの森林面積は1960年代の国土の80%以上から1998年には66%へと減少した。1995年の調査では、ボルネオ島の117の河川のうち84で土砂の流入量が増加し洪水の原因になっている。 日本では戦後、高度経済成長に伴う木材需要に対応するため、大規模に天然林が伐採され、住宅の梁や柱、家具材などとして消費された。こうして伐採された所にスギなどが大量に植林がなされた。現在では安価な外材の輸入の増加とともに国産木材が売れなくなったことと林業就労者の収入減少が影響し、林業就労者の減少がおき、間伐や間引きなどの手入れの行き届いていない不成績造林地が増加して全国各地で問題になっている。手入れの行き届いていない所では木々が密集した状態で日光が十分に当たらず細い木ばかりになっている。 2003年時点で世界人口の2%である日本は、他方で丸太輸入の50%以上、木材加工品の約30%を占めており、世界最大の熱帯木材輸入国でもある。フィリピンでは1950年代から1960年代に日本に大量に輸出を続け、1980年代には木材輸入国に転じる結果となった。日本に輸出された木材は50%が建設・土木、30%が家具となった。
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