オガ炭の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 15:01 UTC 版)
オガ炭はオガクズを圧縮加熱成形して作られた「オガライト」を原料として炭化させた物であるため、形状は均一である。また、オガライトの製法上、内部がちくわのように中空となっている。 オガライトの構造上、炭内に密閉した部分が少なく、爆跳(炭がはぜること)がほとんどない。燃えた後の灰は一般的に少ないと言われているが、原料となる木材と使用されている木の部位によっては灰が多い場合もある(灰の量は原料材に含まれるシリカ分の量に拠る。木質ペレットと同様、原料部位が外縁であるほど灰が多い)。オガライトの原料として近年の日本国内産ではカシワなど木炭に向く木材原料に絞って製造している傾向がある。中国産の安価なものではスギやマツを原料としたものがあり、火付けしやすく火力は強いが燃焼継続時間は短い。その他の東南アジア産のものはマングローブや、南洋材の原料が多い。 オガ炭は密閉した炭窯を1200℃近くまで上げ熟成させたあと、仕上げの最後に、一気に空気を入れて(または炉外に出して)未炭化成分を焼き飛ばし、急冷させ焼き締める(この精錬工程を「ネラす」と表現する)。この製法は白炭に近く、性質も白炭に似る。大規模生産工場では、この一連の作業をオートメーション化している場合も多い。備長炭に似た性質でもある為、商品名称に「オガ備長炭」「備長炭(オガ炭)」といった感じで併記している場合も多い。 着火に関しても白炭に似て、黒炭などより手間を要し、非常に火熾ししにくい性質のため、着火加工されたヤシガラ炭や、既に熾っている木炭を種火としてオガ炭に着火させる方法が確実である。→「火熾し(火おこし)方法」を参照 しかしその反面オガ炭は火持ちは良く、上質な製品では1000℃前後という高い燃焼温度が長時間得られ、たとえばバーベキューパーティーが4〜5時間ほどに及ぶ場合は、炭の継ぎ足しも必要なく好都合である。また、灰に埋めた場合は12時間以上も燃焼が継続する。 オガ炭はグレードごとの形状と品質が均一で、品質の割に比較的安価であり、長時間の高温燃焼が持続し、燃焼臭や煙も目立たず、構造上爆跳の危険性がほとんど無いので飲食店などでの利用が多い。
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