最適化研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 02:58 UTC 版)
導入は見送ったものの、爾後の導入の可能性を含めて研究は続けられた。1986年8月になると、新たに最適化研究契約が結ばれた。これは、下記の内容から成り、研究期間は1年8ヶ月、研究費総額は58億円で東京電力が半額を負担した。 地震国である日本での立地条件を満たす炉心、燃料設計 システム全体の基本設計 建屋内機器配置、主要配管の最適化 球形格納容器の30分の1縮小模型による振動特性、強度解析 最適化研究でも東京電力がK-PWRを採用するには至らなかった。『電気新聞』は最終報告の提出前に報じた記事で、K-PWRに不利な材料として下記を挙げている。 1980年代後半になると電気料金抑制のため原子力発電にも資本費のコストダウンが求められた。一方、ABWRは開発が進展し、kW当たり26万円前後の建設費と見積もられ、これは従来のBWRの建設費を下回るもので、経済性が改善された。 既存のBWRも改良標準化計画を経て改造を受け、保守のレベルが上がったことで稼働率が70%を超えてきた。 (当時バブル景気の最中で)ここ2年ほど予想以上の需要の伸びがあったとはいえ、長期的な電力需要の伸びは年率2%を下回ると見積もられ、原子炉の建設ペースも昭和50年代の年1機から今後は5年に2機とスローダウンの見込みであった。 導入目的の一つであった高速炉の開発も、商業化の時期は遠のくと予想された。
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