曖昧母音とは? わかりやすく解説

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曖昧母音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 14:19 UTC 版)

フランス語の音韻」の記事における「曖昧母音」の解説

曖昧母音(シュワー)の/ə/は「脱落性のe」(e caduque)や「無音のe」(e mute)とも呼ばれ音声として発音される場合はやや円唇の中舌中央母音 (Mid-central vowel) である。この母音音声的には[œ]で/œ/と同一であると見做す研究者が多い。 Fagyal, Kibbee & Jenkins (2006)はより明確に狭母音および半母音の前 netteté /nɛ.tə.te/ → [nɛtøte](「明瞭」) atelier /a.tə.lje/ → [atølje](「アトリエ」)、 および句末強勢のある位置―― dis-le ! /di lə/ → [diˈlø](「それを言え!」) では[ø]となり、他の位置では[œ]となると述べている。しかしながら、これは特別な音韻的挙動を示すので、独立した音素として考えられている。 フランス語の曖昧母音の主な特徴はその「不安定さ」にある。この母音条件によって発音されないことがあるのである語中音節単独の子音に続く場合通常脱落する。rappeler /ʁa.pə.le/ → [ʁaːple](「思い出す」) 語末では最も高い頻度無音である。table /tabl(ə)/ → [ˈtaːbl](「テーブル」) 語末の曖昧母音は、2つ上の子音の後、子音から始まる語の前に位置する場合任意発音される場合がある。une porte fermée /yn(ə) pɔʁt(ə) fɛʁ.me/ → [ynpɔʁt(œ)fɛʁme](「閉じた扉」) ただし、-er型の動詞未来形および条件法では、2つの子音の後であっても曖昧母音は任意脱落する場合がある。tu garderais /ty ɡaʁ.də.ʁɛ] → [tyɡaʁd(œ)ʁɛ](「君は守るだろう」) nous brusquerons [les choses] /nu bʁys.kə.ʁɔ̃/ → [nubʁysk(œ)ʁɔ̃](「我々は[物事]を急ぐだろう」) 他方語中であっても発音される子音の後に続いて次の音節頭子音との間に複合子音形成できない場合には発音される。gredin /ɡʁə.dɛ̃/ → [ɡʁœdɛ̃](「ごろつき」) sept petits /sɛt pəti/ → [ˈsɛtpœti](「7人の小人」) フランス詩法フランス語版)では、語末の曖昧母音は他の母音の前と、詩行の末尾では必ず省略される子音で始まる語の前では発音される例えune femme grande fut ici [yn(ə) fam(ə) ɡʁɑ̃d(ə) fytisi](「背の高い女がここにいた」)は各語末の/ə/が全て発音され[ynœfamœɡʁɑ̃dœfytisi]となる(この例では後に半母音や高母音が続くものがないので全て[œ]となる)。 通常は曖昧母音は閉音節では中舌母音([œ])としては発音されない屈折派生による変形においてはそのような文脈で曖昧母音は通常前舌母音/ɛ/と交代する。 harceler /aʁ.sə.le/ → [aʁsœle](「しつこく攻撃する」) [il] harcèle /aʁ.sɛl/ → [aʁsɛl](「[彼は]しつこく攻撃する」) 3つの音の交代いくつかの場合観察される。 appeler /a.pə.le/ → [ap(œ)le](「呼ぶ」) j'appelle /ʒ‿a.pɛl/ → [ʒapɛl](「私は呼ぶ」) appellation /a.pe.la.sjɔ̃/ → [apelasjɔ̃](「呼び名」) 上述のような振舞見せない正書法上の場合は、不変完全母音/œ/に対応するとした方がよりうまく分析できる例えば、前接代名詞の-leはdonnez-le-moi /dɔ.ne lə mwa/ → [dɔnelœmwa](「それを私に下さい」)のような通常は曖昧母音が発音されないような文脈でも義務的に発音され強勢決定においても完全な音節として扱われる。これに比して単語内の不変な話者によってばらつきがあるが、例えun rebond /ɛ̃ ʁə.bɔ̃/ → [ɛ̃ːʁœbɔ̃]または[ɛ̃ʁˈbɔ̃](「バウンド」)がどちらとも発音されるのとは対照的にun rebelle /ɛ̃ ʁə.bɛl/ → [ɛ̃ʁœbɛl](「叛徒」)は完全母音として発音されなければならない

※この「曖昧母音」の解説は、「フランス語の音韻」の解説の一部です。
「曖昧母音」を含む「フランス語の音韻」の記事については、「フランス語の音韻」の概要を参照ください。


曖昧母音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 16:30 UTC 版)

シュワー」の記事における「曖昧母音」の解説

もう一つは曖昧母音(あいまいぼいん)とも呼ばれ各言語において見られるはっきりとした特徴のない中性的母音のことをいう。言語によっては前述中舌中央母音 [ə] でないこともあるが、音素表記では /ə/ と書かれることが多い。 この曖昧母音を音素としてもつ言語発音日本語表記する場合原則としてイ段」以外で表記される

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