時刻、時間、周波数(時間の逆数)の乖離
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「日本標準時」の記事における「時刻、時間、周波数(時間の逆数)の乖離」の解説
1955年(昭和30年)第9回国際天文学連合 (IAU) 総会の決議で、今までのUTが、観測値そのままの UT0、これに極運動による経度変化の補正 (Δλ) を加えた UT1、更に季節変化の補正 (ΔS) を加えた UT2 の、3種に区別されることになる。 1956年(昭和31年)1月1日東京天文台が第9回IAU総会で採択された、UT0、UT1、UT2の区別を開始する。UT2が代表的な世界時として正式に用いられるようになる。これにより、中央標準時の基礎はUT0からUT2へ内容的に移行する(すなわち、中央標準時=UT2+9時間となる)が、この際に法令の発布はとくになく東京天文台がその責任において認定している。 郵政省告示により、周波数の一次標準器の較正を、東京天文台の決定するUT0からUT2へ変更した。 12月26日昭和31年文部省/郵政省告示第1号(標準電波の周波数および通報する標準時の修正値の公表)により、標準電波の周波数及び通報する標準時の修正値は、東京大学東京天文台の決定する中央標準時に基き、周波数に関するものについては郵政省電波研究所において、標準時に関するものについては東京大学東京天文台において、それぞれ決定し、及び公表するとされた。 当年内国際度量衡委員会で、時間の計量単位としての秒に暦表秒が採択される。地球の自転周期は変動するので世界時で定義される従来の秒の精度は10−8の桁でしか保証されないが、暦表秒は12桁の数字で定義された。 1957年(昭和32年)JJC報時で学用形式の報時をやめて英国式に切り替える。 第3回の国際経度観測(1957年-1958年)の器械は、前回までの子午儀と振り子時計に代わり、写真天頂筒 (PZT) と水晶時計が主力となる。 1958年(昭和33年)計量法の改正により、時間の計量単位としての秒に暦表秒が採用され、1958年(昭和33年)10月1日に施行された。しかし、日常生活で使われる時刻の拠り所は依然としてUT2であったので、日常生活で使われる時刻の刻みとしての秒(平均太陽時の秒)と時間の計量単位としての秒(暦表秒)との複合体系が始まる。なお、日常生活で使用される時刻系とは別に、天体力学理論や天体暦などでは暦表秒に基づく暦表時が利用されており、時間の計量単位としての秒(暦表秒)は東京天文台が現示するとされた。 1960年(昭和35年)3月31日JJC報時が廃止され、日本学術会議の無線報時研究連絡委員会も解散する。これにより、無線報時は標準電波によるJJY報時に一本化される。
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