時刻の取得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 07:23 UTC 版)
「グローバル・ポジショニング・システム」の記事における「時刻の取得」の解説
GPS衛星搭載の原子時計からの時計情報も、科学分野を中心に広く活用されている。GPSの時計情報はGPS衛星に搭載されている原子時計の精度とほぼ一致し、クォーツ時計の精度よりもはるかに高い。そのため、野外で正確な時刻を知る必要がある場合や、複数点で時計情報を高精度で一致させる(同期する)ために用いられる。 GPS本来の目的である位置決定とは異なる利用法であるが、特に地球科学や土木工学分野に大きな効果を与えている。地震を監視し震源を高精度に決定するためには、広範囲に多数設置された地震計すべての時計を秒未満の精度で一致させ、かつ数ヶ月から数年間にわたりその状態を維持する必要がある。そのために従来はJJYを同時に記録し時刻を記録していたり、各地震計に原子時計を接続する必要があり、費用負担が大きかった。しかしGPS受信機を接続することにより、GPS衛星からもたらされる高精度の時計情報を受信できるようになったため、すべての地震計を容易に時刻同期させることが可能となった。 コンピュータの時刻をインターネットで高精度に同期させるプロトコルであるNTPサーバでは、大元となる超高精度のサーバ(stratum 0)は従来、構築が容易ではなかったが、GPS受信機との接続により、比較的容易にstratum 0サーバを構築できるようになった。この目的においてGPS受信機を使用する場合、時刻の同期成立時に1PPS(正確に1秒毎に発生するパルス)信号を生じる受信機を使用し、NTPサーバ本体の時刻をGPS受信機に同期させる実装が多い。
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