映画・歌謡・パレード他
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 06:13 UTC 版)
「刃物を持たない運動」の記事における「映画・歌謡・パレード他」の解説
東京都で運動が開始された1960年(昭和35年)11月28日には「映画を通じてわかりやすくPRしよう」との目的で、愛宕警察署の署員や住民らが制作した約20分の防犯映画「刃物は危ない」が完成し、署内で試写会を開いた後、管内の愛宕中学校1、2年生500人を集めて上映された。映画は、偶然刃物を持っていたたために友人を殺してしまった少年の話から始まるもので、運動の期間中、管内の小中学校、婦人会、町内会などを巡回して上映することとされた。 また、同日から警視庁と埼玉県警では1週間に渡って多様なPR運動で「刃物を持たない運動」を盛り上げることにし、26日にはこれに先立って、東京都内で二つの運動が行われた。一つは同日午後に中央区越前堀の中央商業高等学校(現・中央学院大学中央高等学校)の生徒約50人によって行われたパレードで、「やめよう刃物の持ち歩き」と書いた幟を立て、ブラスバンドを先頭に、地元のボーイスカウトや中央母の会会員らも加わって行進した。通行人に風船や万国旗を配りながら、八重洲口から日本橋の都電通りを通り、坂本公園までを行進した。もう一つは午後2時から北区役所公会堂で開催された、歌謡曲「刃物のいらぬ街」の発表会で、王子警察署と地元防犯協会の主催で開催された。「お説教調より、歌を通じて運動を家庭に持ち込め」という目的で行われたもので、同月上旬から管内の住民や署員から歌詞を募り、入選した王子署警備係の当時27歳の男性のものを、作曲家の新井由紀男が「軽い音頭風」にまとめて完成した曲が披露された。 文京区内のそば・うどん店77軒も「刃物を持たない運動」に協力するとして、出前の際に薬味にかぶせる紙に「やめよう刃物の持ち歩き」と印刷したものを11月28日までに約20万枚用意し、12月4日までの運動期間中、これを使用して各家庭に届けるとした。 1961年(昭和36年)1月7日朝には、中野区の「刃物を持たない運動推進本部」が新年こども大会を区の公会堂で開き、区内の少年少女団体30数団体に所属する児童らが、目抜き通りで刃物追放を訴えるパレードを行っている。児童らは計約1000人で、「刃物の持ち歩きは一切やめましょう」と書いたプラカード、日の丸、幟などを掲げて宮園通り、昭和通りなどを行進した。
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