映画による紹介(科学技術映画)
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「セファロスポリン」の記事における「映画による紹介(科学技術映画)」の解説
日本国内においていずれも「第一世代セフェム」に分類される2つの抗生物質、セファゾリンとセファレキシンについて各々紹介する短編映画2作品が、いずれもヨネ・プロダクションの手により1970年代初頭に製作され公開されている。 Micro-Hunter … 1970年。カラー・18分。企画「鳥居薬品」 抗生物質セファレキシンについて紹介する短編映画。本作品は、セファレキシンが標的としている細菌類(病原菌)の中から黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌を例として取り上げ、細菌の構造の説明〔特に細菌の外周に形成される「細胞壁(Cell Wall)」については当該抗生物質による薬効も併せて解説〕や、当該抗生物質を一定量含有した培地上における各細菌の状態観察の紹介を行っている《各細菌の観察経過については、比較のため、これに先立って当該抗生物質を含まない培地上における状態観察を行い提示している》。なお本作品の最後のところで、セファレキシンを“ミクロの狩人(Micro-Hunter)”と称えると共に、「CEPOL」という商品名にて送り出したことも紹介している。 セファメジン … 1971年。カラー・20分。企画「藤沢薬品工業(現・アステラス製薬)」 抗生物質セファゾリンについて紹介する短編映画。作品タイトル名「セファメジン」は、開発・製造元であり本作品を企画した藤沢薬品(当時)による商品名。冒頭の作品タイトルと企画者表示、および終末部のスタッフ陣のクレジット表示が全て右から左へのスクロールにて為されているのが特徴的。前記『Micro-Hunter』が標的とする細菌(病原菌)に対する薬効をメインに取り上げているのに対し、本作品では当該抗生物質の開発および製造過程を見せることを主眼に制作されている《尤も、作品の終盤あたりで当該抗生物質による薬効の提示(シャーレ上ほか)が為されているが》。本作品によると、藤沢薬品は1960年よりカビ「セファロスポリウム」を使った新たな抗生物質の開発に日本で初めて着手、物質生成から病原菌に対する薬効、さらに人体への影響の確認に至るプロセスを約2千回繰り返した末、1970年に一つの物質に行き着き、この物質に「セファメジン」という名前を与えている。その後、本作品が完成・公開された翌1971年に日本国内において発売開始された。 上記2作品とも、現在『科学映像館』Webサイト上にて無料公開されている。
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