星の分類
星の明るさは「等級」で示される
地球から見える星の明るさは等級(とうきゅう)という単位であらわします。肉眼でもっとも明るく見える星を1等星、肉眼でやっと見える星を6等星といいます。1等級の明るさの差は、約2.5倍です。実際にはさらに細かく1.5等星のように小数点を用いることが多く、1等星よりも明るい星は0等星、マイナス1等星のようにあらわします。しかし地球から星までの距離はさまざまですから、星の実際の明るさをあらわすときは、星が地球から一定の距離(32.6光年)にあるときの「見かけの明るさ」をあらわす数値を「絶対等級」として用います。
表面温度の高い星は青白く、低い星は赤く見える
さそり座の1等星アンタレスは赤っぽく、おおいぬ座の1等星シリウスは青白っぽく見えます。星の色にこのようなちがいがあるのは、星の表面温度に差があるからです。表面温度が低く3,000℃ぐらいの星は赤色、6,000℃ぐらいの星は黄色、さらに温度が高くなると白っぽくなっていき、2万℃以上の高温の星は青白く輝いて見えます。地球上からは暗すぎて色がほとんどわからない星も、光をプリズムを通して分解したスペクトルで調べると、支配的な色がわかるので、表面温度も推定できます。
星の一生は、その星の質量に左右される
星の体積は私たちの太陽の数百倍もあるものから、数十分の1のものまでさまざまです。ただし体積が大きくても、太陽の1cm3あたりの重さが1.41gであるのに比べて、赤色巨星は約1/10万gと非常に密度が小さく、それに対して体積の小さい白色わい星は1cm3あたり10~100t、ブラックホールにいたっては1,000億t以上と大きな差があります。また、星の一生はその星の重さによって決まってきます。
HR図は、星の進化をさぐる重要な指標
星の表面温度を横軸、絶対等級を縦軸にとった図がHR(ヘルツシュプルング・ラッセル)図です。星の明るさと表面温度、表面積とのあいだには一定の関係があることがわかっているので、HR図上の星については、その大きさを求めることもできます。この図を見ると星がいくつかのグループに分かれることがわかります。図中で左上から右下へ並ぶ星のグループが主系列星です。右上のグループは赤色巨星、左上のグループは白色わい星です。HR図は星の進化のようすを知るうえでも重要な図です。
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