白色矮星のスペクトル分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 05:41 UTC 版)
「スペクトル分類」の記事における「白色矮星のスペクトル分類」の解説
詳細は「白色矮星」を参照 D型という分類は、白色矮星に対して現在用いられているスペクトル分類である。白色矮星は、低質量の恒星がもはや核融合を継続できなくなり、惑星程度の大きさにまで収縮してゆっくりと冷却している状態にある天体である。"D" は縮退 (degenerate) から採られている。D型は、さらに DA、DB、DC、DO、DQ、DX、DZ に分割される。これらの文字は他の恒星への分類として用いられているものとは関連しておらず、白色矮星の観測可能な外層や大気の組成を示すものである。 白色矮星の分類は以下の通りである。 DA – 水素が豊富な大気もしくは外層の存在が、強い水素のバルマー系列のスペクトル線によって示されているもの。 DB – ヘリウムが豊富な大気の存在が、He I (中性ヘリウム)のスペクトル線によって示されているもの。 DO – ヘリウムが豊富な大気の存在が、He II (一階電離したヘリウム)のスペクトル線によって示されているもの。 DQ – 炭素が豊富な大気の存在が、炭素原子もしくは分子のスペクトル線によって示されているもの。 DZ – 金属豊富な大気の存在が、金属のスペクトル線によって示されているもの(使われなくなった白色矮星のスペクトル型であるDG、DK、DMを統合したもの)。 DC – 上記の分類のうちいずれのスペクトル線の強い特徴も示さないもの。 DX – 上記の分類のどれかに分類できるほどスペクトル線が十分に明確ではないもの。 アルファベットでの分類の後に続く数字は、白色矮星の表面温度を示すものである。この数値は、Teff を白色矮星の有効温度とした際に、50400/Teff を丸めたものとなる。温度の単位はケルビンである。当初はこの数字は一桁の1から9までの数字に丸められていたが、最近では1未満や9より大きい数字のほか、小数の値も使用され始めている。 上記のスペクトルの特徴を2つ以上示す白色矮星のために、2つ以上の文字が使用される場合もある。 白色矮星のスペクトル分類の拡張版 DAB – 中性ヘリウムのスペクトル線を示す水素・ヘリウム豊富な白色矮星 DAO – ヘリウムイオンのスペクトル線を示す水素・ヘリウム豊富な白色矮星 DAZ – 水素が豊富な金属の多い白色矮星 DBZ – ヘリウムが豊富な金属の多い白色矮星 白色矮星に対しては、スペクトルの特性を示すための他のタイプの恒星とは異なる記号が用いられる。 文字スペクトルの特徴P検出可能な偏光を伴った磁場を持つ白色矮星 Magnetic white dwarf with detectable polarization E輝線を持つ白色矮星 H検出可能な偏光を伴わない磁場を持つ白色矮星 V変光星 PECスペクトルに特徴が存在する
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